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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

米中貿易戦争

ブル-ムバ-グ
年初来から6月29日までの時点で、パフォーマンスが最も振るわないのは年初に人気を集めていた新興国資産だ。新興国株式のリターンは配当支払い後でマイナス6.8%と最低だった。新興国債、ユーロ建て債がマイナス4%超でこれに続いた。一方、明らかな勝ち組は原油で、ベネズエラの生産混乱とイランの孤立化による供給引き締まりが後押しした。
今年下期の相場はドルの見通しが鍵を握っているかもしれない。アバディーン・スタンダード・インベストメンツのシニア投資マネジャー、ジェームズ・エイシー氏は4-6月に世界的な金融の健全性が低下した最大の要因として、ドル高を挙げた。ドルは4-6月に2016年末以降で初めて四半期での上昇を記録し、向こう3カ月も堅調が続くとオプション市場は示唆している。
米ピーターソン国際経済研究所の中国専門家、ニコラス・ラーディ氏は、「貿易戦争においては絶対的には全員が敗者となる」とした上で、問題は誰が「相対的に勝利するか」だと指摘した。
ブルームバーグ・エコノミクスの分析によれば、米国が中国からの輸入品500億ドル(約5兆5400億円)相当に追加関税を課し、中国も同様の報復関税を導入した場合、中国が被る打撃は国内総生産(GDP)の約0.2%に相当し、米国はそれよりも若干少なくなる見通しで、両国とも対処可能な規模にとどまる見込み。
金融市場の動向から判断すると、投資家は米国の方が優勢と判断しているようだ。米国が有利な点の1つは、GDPに占める輸出の割合が中国より少ないことだ。世界銀行のデータによると、16年の同割合は米国が約12%だったのに対し、中国は20%近くだった。
JPモルガン・チェースのアジア太平洋部門副会長を務めるジン・アルリッチ氏は、米中貿易摩擦エスカレートすれば、レバレッジ解消が既に進む中国の金融システムでデフォルト(債務不履行)の増加を招く恐れがあるとの見方を示した。
アルリッチ氏は、トランプ米政権が中国製品を広く対象とする追加関税の適用を今週開始すれば、中国の金融セクターに影響が波及すると予想。消費者需要と経済全般が弱含む可能性が高く、「クレジットの質の悪化にやがてつながりかねない」と語った。
同氏は、中国で債券デフォルトが既に発生する状況で、一部中国企業で返済の困難が増すだろうと述べ、貿易戦争が起きれば、比較的小規模な中国の銀行が最も影響を受けやすいと指摘した。340億ドル(約3兆7700億円)相当の中国製品を対象に25%の追加関税を課す米政府の最終決定を6日に控えて、2日の株式市場では中国の銀行株が急落した。