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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

スイスフランの出番はまだ先

2019年9月 ピクテの資産運用戦略マンスリーレポート

ピクテ投信投資顧問

株式のアンダーウェイト
債券のアンダーウェイト
キャッシュのフルオーバーウェイト

世界経済が貿易戦争の影響を懸念し続けているのに対し、大部分の投資家は中央銀行が積極的な金融緩和を実施すると見ているようです。ピクテはこのように楽観的な見方には同意しかねます。 ピクテの景気先行指数は、今後数ヵ月間の経済成長の鈍化を示唆しています。貿易摩擦を巡る不確実性が、特に先進国の鉱工業生産や企業心理に影響を及ぼしているからです。 また、企業利益は、昨年2018年の大幅な伸びから一転し、年内にも成長が止まることが予想されます。
主要な中央銀行は、景気減速を抑えるために金融緩和策を講じていますが、足元の市場が織り込んでいるほどの積極的な金融政策が実施される公算は極めて小さいと考えます。 ピクテは、このような状況を勘案し、株式のアンダーウェイト(ベンチマークより低い投資比率)を維持します。同時に、債券に慎重な姿勢を維持することの正当性が増したと考えます。債券市場は、年初来、20年ぶりの上昇相場を展開し、グローバル債券指数(JPモルガン世界国債指数)の構成銘柄のほぼ3分の1がマイナス利回りを付けているからです。キャッシュは、フルオーバーウェイト(ベンチマークより高い投資比率)を維持します。
通貨についてはスイスフランを、金と同じくオーバーウェイトとしています。スイスフランも金も、地政学的な混乱やグローバル経済の悪化局面で、底堅さを発揮することが期待されています。
米ドルの過去の均衡点からのかい離を見ると、相当割高な水準で取引されている可能性があります。 米ドルは米国の経常・財政収支の対GDP比との関連性が高く、この比率が低下するならば米ドルの傾向も下向き(ドル安)になる可能性があります。過去の経験則からすると、今後米ドルが下落する可能性が示唆されています。

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う~ん、ピクテはスイスフランに期待ですか。
私fxdondonも、円と並びスイスフランも選好してますが、今のところスイスフランに『頼ろう』とは思っていません。その理由は、ドイツと通商上の結びつきが強いスイス経済に疑問符がつくからです。
しかし、究極の『安全資産』として捉えるなら、私fxdondonは日本円よりスイスフランの方が格上だと思っています。「双子の黒字国」として、スイスに文句のつけようがありません。
ただ、リスクにもいろいろあって、金利や債券、株式の波乱等においては円が最強ですが、国家信用つまりソブリンリスクだとスイスフランが日本円を上回るでしょう。
その背景には、現在の格付けでもわかる通り、スイスはトリプルAの最高格付けが付与されています。一方、日本はシングルAです。

前回の世界金融危機の最中、2011年8月にまさかの米国債格下げがS&Pから発表されました。そのあたりの為替相場円高よりもスイスフラン高に動きました。「国家信用にまで及ぶ究極のリスク回避なら、日本円よりスイスフランだろ」ということでしょうね。
個人的にはスイスフランの出番はまだ先、そんなイメ-ジです。

【2011年あたりまでの相場推移】

USD/JPY

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CHF/JPY

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金相場(対円)

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