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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

「ドラギ・バズーカ」を撃つのかどうか

ECBのマリオ・ドラギ総裁は、ドイツ政府に対し、財政支出の拡大を通じて低迷するユーロ圏経済を後押しするよう改めて求めたが、ドイツ政府はこれに反応せず、現地メディアや金融業界からはドラギ氏を批判する声が上がった。
ドイツ政府は国内経済がリセッション(景気後退)入りする恐れがあるにもかかわらず、緊縮財政路線の撤回にはほとんど関心を示していない。
ドラギ総裁が念頭に置いているのは、ユーロ圏随一の経済大国であるドイツ経済が「エンスト状態」(「ル・モンド」電子版)にあるため。今年4~6月期の実質国内総生産GDP)は前期比0.1%減と、3四半期ぶりのマイナス成長を記録し、続く7~9月期もマイナスと2四半期連続で前期実績を割り込めば、定義上はリセッション局面入りとなります。経済分析の専門家からは「リセッションに陥るか否かの瀬戸際」などと懸念する声が上がっています。
しかし、一部の海外メディアの報道によれば、理事会ではフランス、ドイツ、オランダ、オーストリアの中銀総裁が量的緩和再開に反対し、財政支出の拡大も拒んでいるといいます。「経済成長」よりも「財政規律」を重視、そのため、理事会後にEUR/USDでユ-ロは上昇しました。
ところがその後、ECBのマリオ・ドラギ総裁は11月に国際通貨基金IMF)のクリスティーヌ・ラガルド総裁へバトンタッチしますが、「バズーカ砲を放って任期を終える」(フランスの新聞「ル・モンド」の電子版、他)との憶測からユ-ロは下落に転じています。
かつての日本の「黒田・バズ-カ」が超円安を引き起こしたが、「ドラギ・バズ-カ」が超ユ-ロ安を引き起こすのかどうか、今後に注目です。

そして、本日。
日銀は19日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定した。短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の現状維持を賛成多数で決定。フォワドガイダンスの変更も行わなかった。

これで、円相場の潮目が変わったか。
米国は年内の利下げは行わない見通しだが、オ-ジ-やキウイはもう一段の利下げが確実、ECBは金融緩和再開に加えてドラギバズ-カの可能性、そして今夜、英国が利下げの可能性を示唆するのかどうか。
消去法的な円買戻し、当然と言える。