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今、ユ-ロ安? いえいえ実効レ-トはユ-ロ高、大幅調整の余地

ロイター
米中貿易摩擦の波紋がいかに世界的に広がっているかを示す証拠がほしいなら、人民元相場の下落によってユーロの実効レートが跳ね上がり、欧州の輸出の足を引っ張っている事態を見ればよい。
トランプ米大統領は、ユーロが「切り下げられた」結果、欧州企業は米国企業に対して輸出面で不当に優位な立場にあると不満を隠さないが、現実はその反対だ。欧州中央銀行(ECB)がまとめているユーロの実効レートは5カ月ぶりの高値に達している。
2017年1月にトランプ氏が大統領に就任して以来、ユーロの実効レートは4%上昇。特に米中摩擦が激化した今年5月上旬からだけで1.6%高と値上がりが加速した。
低迷する欧州経済をなかなか上向かせられないECBにとっては、頭痛の種がまた1つ加わった形で、欧州が輸出依存度を減らし、内需を喚起する必要性が浮き彫りになりつつある。
欧州の貿易パターンが変化した影響で、ユーロ実効レートは新興国の比重が急速に高まった。人民元のウエートは2003年に10%弱だったのに、足元はおよそ23%だ。この間にドルのウエートは22%から17%に下がった。
そうした中でECBの悩みはつきない。ECBの議論に詳しい複数の関係者は、先週の定例理事会後ロイターに、貿易摩擦の逆風にさらされている欧州経済が、もしユーロ高によって痛め続けられるなら、政策担当者はマイナス0.4%の中銀預金金利をさらに引き下げることを前向きに考えると語った。関係者の1人は為替レートが利下げの理由になると5回も繰り返した。
ECBは特定の為替レートを正式な目標にしていないものの、ドラギ総裁は先週の会見でユーロ高に言及した。
ラボバンクのアナリスト、ジョン・フォーリー氏は「景気減速リスクとさえない物価の伸びを目の当たりにしている中央銀行にとって、最も望まないのが為替レートの上昇だ」と指摘。欧州の政策担当者には、トランプ氏によるドル押し下げの口先介入も好ましい動きではないだろうと付け加えた。
フォーリー氏によると、購買力平価など別のいくつかのモデルに基づくと、近年のドル高があるため確かにユーロは割安化している。しかし、その原因である米経済の好調さと米連邦準備理事会(FRB)の15年以来の利上げは、いずれももはや存在し得ない。
さらにトランプ氏は、過去1年間でユーロ/ドルが4%強も下落したとけちをつけるが、同氏の大統領就任以来ではユーロ/ドルは約7%上昇している。
ユーロ実効レートの上昇は、既にドイツなどの輸出競争力をむしばんでいる。同国の4月の輸出は4%近く減少し、15年8月以来の大幅な落ち込みを記録。欧州経済の持ち直しを一段と難しくする要因になっている。
ユーロ圏には、内需の不振、イタリアの政治不安、そして成長てこ入れに向けた財政出動に対するEU内の抵抗というより深刻な問題がある。また世界的に成長が鈍化し、モノやサービスへの消費が減退している中で、ユーロが下落に転じても欧州経済のプラスになるかどうかは分からない。

ECB、迫られる巨額QE 
ブルームバーグ
ドイツ国債のバリュエーションを見る限り、欧州中央銀行(ECB)は投資家の期待に沿うためには記録的な金額の量的緩和(QE)を実施する必要があるかもしれない。
インフレを2%に回復させるための新たな金融緩和をドラギ総裁が示唆した後、ユーロ圏の多くの国の債券は6月18日、年初来最大の値上がりとなった。だが、債券相場を維持するのは容易ではない。
BNPパリバによると、ドイツ10年国債の利回りを6月第3週に付けた過去最低のマイナス0.328%付近に維持するためには、ECBが過剰流動性をほぼ倍増させ、3兆ユーロ(約360兆円)以上にする必要がある。
ECBが過剰流動性を1兆4000億ユーロ増加させるには、月550億ユーロ余りの資産購入を2年間続けなければならないと、BNPのストラテジスト、エリック・オイノヤン氏は試算。このためにECBは、1銘柄の債券について中央銀行が購入できる上限を33%から50%に引き上げる必要がある。
ECBによるこのような動きを想定すると、金利スワップとの比較でドイツ5年債が値上がりを見込むことは理にかなっていると、オイノヤン氏は指摘した。


っていうか、そこまで巨額QEを行えば、ユ-ロは5%以上下落すると観るが。現在のユ-ロ/円が122円なので、5%下落だと116円か。いい線かも。
さらに、ドル/円の下落も並行すれば、+αとしてユ-ロ/円のさらなる下落も期待できますね。
FRBとECBの金融緩和合戦にも注目です。