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香港ドル危機には程遠い

ブル-ムバ-グ
空売り投資家として知られる運用マネジャー、クリスピン・オデイ氏は香港ドルのショートポジションを積み増すトレーダーに「他を当たれ」とアドバイスする。
大胆な取引を好み、このため自身のヘッジファンドが近年、運用成績の浮き沈みの最も激しいファンドの一つとなっているオデイ氏(60)は、「いまは良い取引がたくさんある。香港ドルはその一つではない」と語った。
オデイ氏は香港ドルに詳しく、以前、2年間余りにわたってショートポジションを取ったが、結局2018年半ばに断念した。香港ドルで苦汁をなめたのは同氏だけでなく、著名投資家のジョージ・ソロス氏はアジア金融危機さなかの1998年に香港ドルと米ドルのペッグを外そうと仕掛けたが失敗した。またビル・アックマン氏も2011年に香港ドル上昇を見込んでコールオプションを購入したが利益にはつながらなかった。
このような過去の取引が注目されたのは、12週間にわたり香港を揺るがしているデモなどを材料に幾つかのヘッジファンド香港ドルに狙いを付けているためだ。ヘイマン・キャピタル・マネジメントのカイル・バス、クレスキャット・キャピタルのケビン・スミス、トリウム・キャピタルのトーマス・ロデリックの3氏は共に香港の混乱が資本流出につながり、金利を押し上げ、香港経済を30年余り支えてきたペッグ制を当局が放棄せざるを得なくなると見込んでいる。
一方、こうした見通しに懐疑的な人たちは、香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)が金融システムの「要」と呼ぶペッグ制を守る能力と意思が香港にはあると論じる。しばしば引用されるように、香港の外貨準備は約4480億米ドル(約47兆4000億円)と、流通している香港ドルの2倍強だ。
GAM・UKのロンドン在勤運用マネジャー、ポール・マクナマラ氏は香港ドルを巡る投機について、「これは数年ごとに浮上する取引だ」とした上で、「ペッグが外れると予想する人が利益を得ることはない。今回も同じだと思う」と語った。

香港ドル/米ドル  米ドルとのペッグは崩れない
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香港ドル/ユ-ロ   ユ-ロに対しては香港ドル高が進む
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香港ドル/日本円   日本円に対しては下落が避けられず
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香港ドル/中国人民元   人民元からの逃避先にもなっており、香港ドル高が進む
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