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米財政赤字 拡大を容認?

米財政収支は、2019会計年度(18年10月から19年9月まで)の19年6月までの9カ月間の赤字額は累計で7471億ドル、前年度の同時期の赤字額と比べて23%増。
歳入は、もちろんトランプ政権が中国などからの輸入品に課した制裁関税収入が増えた。
一方、歳出は、国防支出や債務利払いが増えた。
19会計年度予算ではおよそ1兆ドルの赤字を見込んでいるため、残り3カ月で3000億ドル、月あたり1000憶ドル(10兆8000万円)を企業や国民に配ることになるのだから、そりゃドル安に作用するでしょう。
しかし、米国政府はそのことを重要視していないようです。

ロイター
来年の米大統領選に向け、6月下旬に野党・民主党の候補指名レース参加者が行った討論会では、「財政赤字」という言葉は全く口にされず、政府債務への言及も1回きりだった。
トランプ大統領の下で年間財政赤字と連邦債務は膨張が続いているという事実は米国にとって最も厄介な問題の1つであるはずなのに、民主党は争点にしたがらない。
その理由は、彼らが掲げる選挙公約のうち最も人気がある政策、例えばメディケア(高齢者および障害者向け公的医療保険)拡充や、大学の学費や学生ローンへの公的補助などは、それ自体が財政負担を増大させるからだ。
同じく与党・共和党も、財政赤字を膨らませている2大要素であるトランプ氏の大規模減税と国防費の急拡大を喜んで後押しした手前、赤字問題については沈黙を守る方が自分たちの利益になる。トランプ氏への支持によって、多くの共和党議員は既に消えかかっていた財政均衡と連邦債務削減を目指す意思は事実上放棄したと言える。
多くのエコノミストは、債務増加は利払い費を高め、将来の政府に大幅な歳出削減を強いるだけでなく、米国によるデフォルト(債務不履行)を発生させ、世界的な混乱を巻き起こしかねないと懸念している。
米財政政策専門シンクタンク超党派政策センターのシニアバイスプレジデント、ビル・ホーグランド氏は、債務増加を放置するのは玄関床下にシロアリを巣食わせるようなもので、普通に出入りしているうちに突然、床が崩れ落ちると警告する。
トランプ氏は16年の大統領選中には約8年で連邦債務を完済するとワシントン・ポスト紙に言い放ったが、17年1月の就任後には2兆4500億ドルも債務を増やしている。
議会予算局は先月公表した最新の長期見通しで「債務がこれほど高水準で増大し続けると見込まれることは、わが国にとって相当なリスクをもたらす」と対応を促した。
米経済が拡大し、物価上昇率と失業率が低く、株価が最高値圏で推移している今、本来なら政府は債務を減らす絶好の環境を生かせる立場にある。ところが実際には正反対の行動が続いている。
財政改革を提唱する民間団体「責任ある連邦予算委員会」を率いるマヤ・マグギネス氏は、あり得ないはずの「財政のフリーランチ(ただ乗り)論」を利用して有権者にアピールするという点で、今は与野党間に緊密な協調態勢が整っている、とあきれる。

私fxdondonとしては、米政府債務を増やしてもらえる方がありがたいです。ドル安の方向性がわかりやすいですから。
と言っても、それはあくまで対円での話。対ユ-ロやポンド、新興国通貨に対してはその限りではありません。
低インフレ国と高インフレ国、対外純資産国と対外純負債国、高貯蓄国と低貯蓄国(経常黒字国と経常赤字国)、この違いが大きいからこそ対円でドルは価値を減価させることになります。
さて、今現在の米国政府の債務残高はいくらなんでしょう?
また、どのくらいのスピ-ドで増えているんでしょう?
それを知りたい人は、「米国借金時計」を参照。
U.S. National Debt Clock Real Time
http://www.usdebtclock.org