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海外マネーが英国から流出するリスク懸念=英中銀高官

ロイター
イングランド銀行(英中央銀行)金融行政委員会(FPC)のメンバーであるアニル・カシャップ氏は18日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が決まった国民投票以降に英国が海外マネーへの依存度を強めていると指摘、こうした海外マネーが突如として英国から流出するリスクに懸念を示した。議員に向けたリポートで述べた。
同氏は「英国が依存する海外マネーの構成について憂慮している。海外マネーは2016年と比べてより気まぐれになっているようだ」とした上で「こうした気まぐれな資金の一部が金融市場に向かい、いつなんどき流出するかもしれない。懸念すべき要因だ」との見方を示した。

んっ、「海外マネーは2016年と比べて、より気まぐれになっている」?
冗談でしょ?本気度が増しているからこそ、英国から資金が流出、要は逃げ出すわけで、この人の認識はちょっとおかしいような。
そして、「英国が海外マネーへの依存度を強めている」?
調べてみましたよ。
まずは、英国の対外債務状況。
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うわっ、直近で対外債務が急増しています。確認不足でした(苦笑)
では、経常収支赤字は?
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まぁ、
赤字ではあるが、過去に比べれば危機的状況ではありません。
ただ、経常収支赤字の対GDP比は、
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-3%台というか、-4%ですね。南アやNZより赤字比率が高い。
しかし、英国は通貨危機には陥りません。たとえ極度のポンド安になっても、介入原資となる資金借り入れには困りません。FRBやECB、日銀などと通貨スワップ協定を結んでいて、限度額無制限でドルやユ-ロ、円を調達できます。IMFからとやかく言われたり、高利で借りる必要もないわけで。
しかし、長い歴史の中で、戦前、世界の基軸通貨だった英ポンドは、英国の経済基盤の弱体化とともに役割も低下し、ドルが基軸通貨としての地位を得ました。
経済力、軍事力で圧倒的な力を持つ米国と、その力を失っていった英国。そして、もうEUが英国を守ることもなく、自らだけでイバラの道を進むことになります。それが、厳しいこれからの現実です。