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米、2%物価上昇へ利下げに含み

ジェローム・パウエル氏が率いる米連邦公開市場委員会(FOMC)は正反対のインフレ押し上げのミッションに乗り出した。日本が陥ったデフレのわなを避けるためだ。
米連邦準備制度理事会FRB)のパウエル議長は3月20日の記者会見で、過度に弱い物価圧力が「昨今の重大な課題の一つだ」と表明し、次の行動が利下げになる可能性に含みを持たせた。
パウエル議長は同時に、有害なシナリオを描いてみせた。米金融当局が2%のインフレ目標を達成できるとの信頼を、消費者や企業が失うという筋書きだ。
「2%を下回るインフレ期待は常にインフレ率を押し下げる方向に作用し、われわれは厳しい闘いを強いられる」とパウエル議長は、物価上昇率を押し上げる努力について記者会見で語った。FOMCは2019年の利上げ回数の見通しをゼロと予測した。
これこそ日本が20年前に陥った状況に似ている。欧州もまさにその瀬戸際にある。中央銀行がいくら金利を引き下げても、今日より明日の方が価格が低いはずだと消費者や企業が信じ、借り入れや支出を見合わせる。
ポトマック・リバー・キャピタルの最高投資責任者(CIO)、マーク・スピンデル氏は「インフレはまったく加速の兆候を見せない。欧州や日本のように、経済が袋小路に入り込み、中央銀行はインフレ率を上昇させられない状況に陥るリスクがある」と述べた。(ブルームバーグ

サマーズ元米財務長官は、米国と欧州が日本の経験と同じような経済問題を抱えるリスクがあるとして、財政・金融および構造の各分野で力強い政策を講じる必要があると、最新の調査リポートで訴えた。
サマーズ氏はイングランド銀行(英中央銀行)のシニアエコノミスト、ルーカス・レイチェル氏と共同で執筆したリポートで、人口高齢化や所得不均衡の拡大、生産性の伸び悩みなどを背景に、先進諸国の金利は今後何年間も「極めて低い」水準にとどまる公算が大きいと指摘した。
サマーズ、レイチェル両氏は「超低水準の均衡金利が半恒久的な特徴であるかのような日本の経験を、他の先進国・地域が繰り返す恐れがある」と記した。政策当局者は「財政赤字の許容度拡大や非伝統的金融政策、民間投資促進のための構造措置を何らかの形で組み合わせる必要があるだろう」と、両氏は付け加えた。(ブルームバーグ