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FOMC内でも見解分かれる

ブル-ムバ-グ
●FOMC内でも見解分かれる-「タカ派的な利下げ」も
●利下げ見送りの可能性も20%あるとエコノミストは予想

米連邦準備制度理事会FRB)のパウエル議長は、今年に入り着手した金融緩和キャンペーンについて、一時休止の準備を進めているのではないだろうか。
米金融当局は30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、世界的なリスクに対する保険として今年3回目となる0.25ポイントの利下げを決める一方、当面は恐らく十分な措置を講じたとのシグナルを発すると見込まれる。米東部時間午後2時(日本時間31日午前3時)のFOMC声明発表後、2時半からパウエル議長が記者会見する。
投資家が織り込む利下げ確率は90%に達する。一方、ブルームバーグが調査したエコノミストは75%の確率としており、一段の利下げの必要性を巡りFOMC内で見解の相違がある点を反映して、やや懐疑的であることが浮き彫りとなった。
米金融当局者はいずれも、通商面の不確実性や海外経済の弱さといったリスクを認識しているものの、当局者の一部は、さらなるショックに見舞われない限り、こうした向かい風を相殺するのに7月と9月の連続利下げで十分であると考えている。
パウエル議長は記者会見で、利下げ一時休止のメッセージを発するとともに、経済見通しに大きな変化があれば、柔軟に対応する用意を強調する可能性がある。
ノーザン・トラストのチーフエコノミスト、カール・タネンボーム氏は「当局者が提供したいのはタカ派的な利下げだ。それを的確に言い表すにはちょっとした巧妙な表現が必要になるだろうが、金融当局は必ずしもできていない」と話した。
パウエル議長は前任者の1人であるアラン・グリーンスパン氏のやり方を踏襲するのではないか。米金融当局はグリーンスパン議長(当時)の下、リスクに対処するため、サイクル半ばの調整として1995-96年と98年にそれぞれ3回ずつ利下げした。
FOMCが9月に公表した四半期ごとの経済予測では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が今年、底を突いた後、2021年にはわずかに上昇するとの当局者予想が示された。これに対し、投資家はもう少しハト派的で、20年半ばまでにもう1回の0.25ポイント利下げを100%織り込んでいる。当局は12月に最新の予測を公表する。
ブルームバーグエコノミストの見方
ブルームバーグ・エコノミクスは、金融当局者が追加の刺激策の必要性を評価する上で『会合ごと』のアプローチを採用し、FOMCの中でもタカ派的な当局者の懸念に配慮すると予想する。ただし、低成長、低インフレの環境では、追加的な景気支援策を講じる必要性を会合ごとに一段と強く認識することになるだろう」
FOMCは製造業の落ち込みや米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱問題、世界的な成長鈍化などのリスクに対する保険を支持する当局者と、米経済の底堅い成長見通しを国内の経済指標がおおむね支えているとする当局者に分かれている。
後者に属するのはカンザスシティー連銀のジョージ総裁とボストン連銀のローゼングレン総裁で、FOMCが30日に追加利下げに動けば、両総裁は再び反対に回る公算が大きい。9月18日公表の金利予測分布図(ドット・プロット)を見ると、同日のFOMCで利下げを望まなかった当局者が5人おり、同日の利下げでもう十分であり年内はさらなる緩和は不要と考える当局者が他に5人いたことが分かる。
こうした状況はサプライズの可能性を残すもので、エコノミストは30日に追加利下げが見送られる可能性を20%としている。一方、トランプ大統領はかねて、景気加速のための利下げを強く求めており、緩和休止となれば反発するのは確実だ。