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FRB元議長のアラン・グリーンスパン氏 財政巨額赤字に警鐘

ブル-ムバ-グ
米国の財政赤字が1兆ドル(約110兆円)に向けて拡大する状況について共和・民主両党の政治家はおおむね沈黙しているが、連邦準備制度理事会FRB)元議長のアラン・グリーンスパン氏(92)は「無関心でいられる状況が続くことはない」と主張する。
1987年から2006年までFRBを率いたグリーンスパン氏は、「これは極めてアンバランスな状況だ。政治的には、財政赤字はあまり重要ではないが、問題はその影響だ」と懸念する。
グリーンスパン氏にとって、最大の懸念はインフレだ。財政赤字がこれほどまでの規模に膨らんだのは09年に終了したリセッション(景気後退)後の時期以来。景気拡大は10年目を迎え、労働市場は1960年代以降で最も逼迫している。
インフレはコントロールされているが、米国の歳出で物価圧力に拍車が掛かると投資家が懸念し始めれば、海外勢の米国債需要が既に減退する中で、国債購入を抑制する恐れもある。
グリーンスパン氏は「政治システムが反応するのは、いつもそうであるように、財政赤字が最終的にインフレを生じさせるときになってからだ」と指摘。「現時点ではスタグフレーションの兆候が見られるものの、まだそこには到達していない」との認識を示した。
議会予算局(CBO)によると、連邦財政赤字は2022会計年度に1兆ドルを超過する見通し。トランプ大統領の就任後初の通年(18年度)の財政赤字は7790億ドルと、12年度以来の高水準だった。社会保障給付の増加や金利費用の上昇で、財政赤字は既に悪化の方向にある。