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中国のメディア 日本が失われた20年に陥っているなんて大嘘

2017年末における対外資産負債残高で、日本は27年連続で世界最大の債権国となった。対外資産残高は前年比2.7%増の1012兆4310億円、対外負債残高は同5.2%増の683兆9840億円となり、対外純資産残高は同2.3%減の328兆4470億円。
中国メディアの快資訊は、日本が27年連続で世界一の純債権国となったことに対し、「日本が失われた20年に陥っているなんて大嘘だ」と主張する記事を掲載した。
記事は、中国人は近年、日本に対して大きな誤解を抱いているとし、それは、日本の経済成長率が低迷していることを「日本衰退」と思い込んでいることだと指摘。日本は国内の経済成長は確かに低迷しているが、海外への投資を通じて、海外で大きな利益を得ているのだと伝え、「中国の対外純資産残高および海外での投資活動は日本の足元にも及ばないのが現状なのだ」と指摘した。
日本が海外に大量の資産を保有しているのは、「日本は国土が小さく、天然資源も少ないうえ、国内市場は縮小傾向にあるため、日本企業が海外に活路を見出したため」であると主張。海外での経済活動はGNPには含まれるが、GDPには含まれないと伝え、中国もGDPばかりではなく、GNPも強化していくべきだと論じた。
中国の対外純資産残高は16年末は日本に次ぐ世界第2位となったが、17年末はドイツに抜かれて再び3位に転落した。
日本の国内総生産(GDP)は中国に抜かれて世界第3位となっており、中国国内ではGDPの規模と日本の低成長を理由に「中国はすでに日本を全面的に追い越した」といった論調も目にすることができる。
日本のGDPは2009年に約5兆5000万ドルだったが、17年は4兆9000億ドルとなっており、減少しているようにも見える。中国メディアの快資訊はこのほど、日本のGDPが減少していることを理由に、日本が衰退していると誤解してはならないと論じる記事を掲載した。
記事は、日本がバブル崩壊後に経済成長を失ったのは事実だと指摘し、GDPも伸びていないように見えると指摘する一方、これは数字のトリックであり、円安が進んだなかでドルベースで計算しているためだと強調。日本銀行による異次元の金融緩和が始まる前、日本円は1ドル=80円ほどだったが、現在は110円前後にまで下落していることから、ドル建てのGDPが減少して見えるのは当然だと論じた。
さらに、GDPに含まれる値についても留意が必要であるとし、国内企業が海外で生産したモノやサービスはその国のGDPには含まれないと指摘。海外で経済活動を展開している日本企業は非常に多いが、これらの経済活動は日本のGDPには含まれないと強調した。


ふ~ん、中国のメディアにも、まともなことを伝えるところがあるんですね。
◆日本は27年連続で世界最大の債権国
◆ドル建てのGDPは数字のトリック
GDP国内総生産)ばかりではなく、GNP(国民総生産)も観よ
◆日本が失われた20年に陥っているなんて大嘘

GDPが一国の国内で生み出された付加価値を計る指標であるのに対し、国外からの所得も計る指標には国民総所得(GNI)がある。日本は世界最大の債権国であり、国外に莫大な純資産を保有しているため、近年は国外からの所得の純受取が増加傾向にあり、GDPとGNIの数値に乖離が生じている。
まぁ、GDP偏重の昨今、日本の弱さを指摘する声は多い。それは、狭義での日本を観ているに過ぎません。GDP、GNP、GNIなど広義での日本を観れば、日本の強さを認識できるでしょう。
日本の「失われた20年」、確かに総人口を観れば失われているという事実があります。
日本の人口減は37年連続しています。日本の総人口は1億2600万人で、子どもが占める割合は12.3%。米国の同18.9%や中国の同16.8%、インドの同30.8%といった数字を下回っている。
一方、日本の「得られた20年」もあります。日本の少子高齢化人口減は、日本円の価値で円高に作用しますので、「強い円」となって示されています。大半の人は、少子高齢化で日本経済と財政はぶっ潰れる、財政破綻で円札は紙切れになる、ハイパ-インフレによって円安になる・・・等々、そういう声が多く聞かれます。アホですね(笑)
日本の人口減は37年連続ですが、37年前から現在まで、対米ドルでも対ポンドでもいいのですが、大局的に円相場は円高に動きましたか、円安に動きましたか?答えは明らかですよね。
日本の人口減によって、37年前の日本経済より現在の経済は滅茶苦茶になっていますか?
要は、観方のズレによって誤解が生じているのです。
少子化で人口減」ではなく、「高齢者の死亡増で人口減」と捉えればわかりやすいと思います。
日本の少子化によって、企業は省力化、自動化、迅速化、効率化、集約化設備の導入でマンパワ-不足の稼ぐ力を補っている。と言うよりも、むしろ増強拡大されていますよね。
一方、消費は減ります。少子化、高齢化、人口減はどれも消費減につながります。
外国為替レ-トは、あくまで円貨と外貨の交換で円の評価(レ-ト)が決まります。ここがそもそも肝心なところで、通貨の本質価値はGDP経済成長だとか財政赤字だとかはいっさい関係しません。実際に経済がマイナス成長であろうと、財政が赤字収支であろうと、あくまで円と外貨の交換取引(売買)によってのみ、円の価格、外貨の価格は決まります。
それとは別に、通貨(おカネ)がモノ(サ-ビス等含む)に替わり、再びモノから通貨に替わるという取引の連続においては、月日の経過とともにインフレ(デフレ)という物品価値増価(減価)=通貨価値減価(増価)が伴います。
極論は、いくらインフレが進んでも、その国内だけで モノ → カネ → モノ → カネ の交換の流れ、生産から消費まで完結すれば、インフレは外国為替レ-トにまったく影響しません。あくまで、外国の通貨に換えた時点でしか、インフレ=通貨価値減価は外国為替レ-トに影響を及ぼしませんから。しかし、そんな国は存在しませんけどね。
日本は世界の中でも低インフレ国です。つまり、日本円の価値減価が少ないです。なぜでしょうか?
やはり、少子化、高齢化、人口減の影響があります。もちろん、倹約志向・貯蓄性向の高い国民性という理由もあるでしょうが、少子化、高齢化、人口減はどれも消費の量、金額とも減少する傾向にあります。
では、未来永劫、少子高齢化人口減は円高要因かと尋ねられれば、「100年200年先はわかりません」と答えるしかありません。ただ、私fxdondonが生きているであろう今後数十年に限って言えば、日本の少子高齢化人口減、一方で多子人口増の諸外国の通貨に対しては、日本円がこの先も価値を高めていくことになります。