fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

中国の外貨準備高3兆ドルってウソ?本当?

中国の国家外為管理局(SAFE)が管理する中国の外貨準備高は3兆ドル余りだという。その内訳は国家機密とされているので、それがウソか本当なのかは誰にもわかりません。
中国としては、人民元を国際決済通貨として利用させたいため、IMFに自国の外貨準備構成を申告しています。あくまで、自己申告ですがね。
外貨準備3兆ドルのうち、1兆ドル余りは米国政府統計資料から米国債として保有していることが確認できます。そして、米国を揺るがしたサブライム問題により経営が大きく悪化したファニ-メイ「米連邦住宅抵当金庫」って覚えていますか?米国の政府機関が揃ってガタガタになった政府機関債も若干引き受けたような記憶がありますが、その金額はわかりません。
その後、欧州にも債務危機が伝搬し、ギリシャポルトガル、スペインなどの国が債務危機に陥った時、これらの国債など約6300億ドル相当のユーロ圏債券を保有するとみられているという、英紙フィナンシャル・タイムズの記事を見たことがあります。
また、我が国の日本国債保有していることも、財務省の統計資料から明らかにされています。
ただ、中国の場合、日米のように純粋に政府中央銀行保有している外貨準備(金を含む)だけではなく、国有金融機関が有する外貨建て株式、債券、そして現金をカウントしているから3兆ドル相当になっているのでしょう。
中国の中央銀行中国人民銀行ですが、中国工商銀行中国農業銀行中国銀行中国建設銀行の4行が1994年の金融改革で外貨取引専門や、農村部融資専門といったそれまでの専業銀行体制から、商業性を備えた国有商業銀行へと生まれ変わりました。さらに、中国の国家ファンドCIC中国投資有限責任公司)というものもありますし、守秘義務が徹底されているスイスの金融機関やヘッジファンドにも外貨建て資産を有していると推測されています。
ですから、日本米国などで認識されている外貨準備という概念では、中国政府・中央銀行だけで3兆ドルの外貨準備は有していないでしょう。国有金融機関も政府共産党のものだという意味で、中国側は中国の外貨準備だと申告しているものと思われます。
ただ、外貨準備高だけを注目しても、あまり意味がないんですよね。経理、簿記のわかる方ならピンとくるでしょうが、バランスシ-トで見れば、資産の部で外貨準備が3兆ドルあるけど、負債の部で外貨建て債務がどれだけあるの?って知りたくなりますよね。外貨準備を10兆ドルにすることなんて、いとも簡単。外貨建て負債(借入金とか未払金とか)で7兆ドルを調達して、その外貨7兆ドルは外貨準備として資産の部へ計上する。あら~、外貨準備が10兆ドルになっちゃった~♪、ってなことになります。
キンペ-ちゃん、外貨建て債務の金額教えてよ!少なくとも、日本は中国に円借款している債権者なんですから。

イメージ 1