fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

過去 為替相場 「スイスフランショック」

為替相場でのサプライズ、その例が2015年1月15日の「スイスフランショック」でしょう。
2015年1月15日に発生したスイス中銀の永続的な対ユーロ介入の突然のギブアップ宣言により、スイスフランは対ユ-ロでの暴騰しました。

イメージ 1


この変動が始まって5分で1600pips、20分間で約3800pipsのユ-ロ大暴落を目の当たりにしました。およそ40%もその日のうちに暴落することとなり、他の通貨のユーロ/ドルやドル/円の相場にも大きな影響を受けることになりました。
ユーロ/スイスフランの市場参加者たちは、スイス中銀の為替介入期待から1.20から1.2020あたりに買い指値を置く一方で、予期せぬユ-ロ下落に備えて1.20割れの1.1970あたりにストップロス(損切り)の逆指値を置いていたそうです。
しかし、この逆指値の設定ラインにあまりにも想定外の売り注文が集中していたことから、インターバンクでも値が付かないという異常事態が発生し、1.01レベルまで完全に値が飛んでしまうという状況が起きてしまったのです。他の取引通貨のフラン/円や米ドル/フランも例外ではありませんでした。ユ-ロ/スイスフランでは値が一気に飛んでしまったため、その後確立した1.01という為替レ-トがストップロスとして履行されるポイントとなってしまいました。
つまり、市場参加者たちはちゃんとストップロスのレ-ト設定をしておいたのに、「差入証拠金を上回る損失」が出てしまった人が続出してしまいました。その人たち対し、FX業者は事務的に損失分の「追証」を求めて、一部では裁判沙汰にさえなりました。日本の市場参加者たちは、スイスフラン/円での取引が多かったようです。

イメージ 2


このスイスフランショックでわかったことは、国内FX業者を利用して自主的にストップロスを設定しておいても、あるいは業者が設定している強制ロスカットという仕組みでも、サプライズの大きな為替変動により「損失を差入証拠金内で食い止めることができないことがある」ということです。
こういうことがあるから、取引約款の中に「証拠金を超える損失が引き起こされることもある」と書かれています。