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金融システムにおける「何かの」問題が深刻化

FRBは、昨日24日から短期金融市場における翌日物レポ取引で毎日1200億ドルに加え450億ドルの一定期間の短期物(14日間)であるタームローン(10月24日と29日)の資金供給を実施した。
レポ市場の混乱は収まるどころか、市場への資金供給は大幅に拡大、より大規模な市場調節に発展している。
ニューヨーク連銀は22日、短期金利の上昇を抑えるために、レポ市場に649億ドルの翌日物と350億ドルのタームローン、合計999億ドルの資金を供給し、毎月600億ドルの米国債買い入れプログラムの一環として75億ドルの米国債を購入した。
9月16日に短期金利市場でレポ金利が急上昇、年度末や月末にかけての決算対応や大規模な米国債入札の決済と法人税の納付などで、一時的にレポ市場で資金枯渇が起きたとして、FRBは臨時の資金供給を行ったとされている。
その後も流動性の問題は解決されず、10月10日まで毎日750億ドルの翌日レポと300億ドルの3回のタームローンの資金供給を実施した。だが期限は11月まで延期され、資金供給は毎日実施されるだけでなく、毎月600億ドルの「QEではない」米国債買い入れが追加実施されている。明らかに、当初の説明とは違う理由で流動性の問題が続いている。
短期金融市場での資金需要供給は安定せず、FRBは急遽23日に翌日レポ取引を毎日1,200億ドル、タームローンを450億ドルに引き上げることを決定した。当初600億ドルで始まった翌日レポは今ではその2倍の1,200億ドル、タームローンも300億ドルから450億ドルに拡大している。当初臨時対応で始まった資金供給は常設レポ・ファシリティの役割を持つようになった。「QEではない」、「金融政策ではない」米国債買い入れは再開され、FRBのバランスシートは拡大をみせている。何やら、金融システムにおける問題が深刻化していることは明白である。