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中国 大学新卒者800万人超え、半分以上が就職できず

ビジネスジャーナル
「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」中国、第2の天安門事件勃発の懸念…大学新卒者800万人超え、半分以上が就職できず

中国では今、今年の大学新卒者の就職活動がピークを迎えているが、半数以上の430万人以上が就職浪人になる見通しであることが明らかになった。多くの失業者を生んでいる米中貿易戦争が、この状況に拍車をかけている。6月4日は民主化を求める多くの学生が中国人民解放軍によって虐殺された天安門事件の30周年だが、今後は多くの学生や失業者が職を求めて政府を批判するなど、第2の天安門事件の再発も懸念される。
今年の大学新卒者数は約834万人と史上最高で、これまででもっとも多かった昨年の820万人に比べると、10万人以上多い。しかし、官庁や企業の求人数は米中貿易戦争の激化が影響して、例年よりも減少しているのが実情だ。たとえば、昨年の新卒者の求人数は約400万人程度だったが、今年は400万人を割り込むのは確実だ。

中国の大学進学率は1997年が9.1%だったのに対して、2002年に15%に達し、16年には42.7%にまで増加。それに伴い新卒者数も急増し、13年には699万人、14年が727万人、15年は749万人、16年765万人、17年795万人。18年には初めて800万人突破。さらに、今年は834万人と、100万人を初めて突破した2001年と比べて、8倍以上に膨れ上がっている。
 日本は1996年に50万人を超え、そのまま50万人台で安定的に推移しているのに比べても、あまりにも急激な伸び率といわざるを得ない。
中国では就職浪人生のほかにも、「昨年750万人もの農民工(出稼ぎ農民)が職を失い故郷に戻った」と中国政府は発表している。さらに、中国の経済ニュースサイトは「昨年だけで500万件以上の求人広告が消えた」とも報じており、これらは昨年来の米中貿易戦争の影響とみられる。

今後も中国では失業者が増えるのは必至だけに、中国政府に不満を持つ学生や失業者、さらに労働者らが決起して、30年前の天安門事件が再び発生する可能性も否定できなくなっている。

ちなみに、北京市人事社会保障局は同市都市部従業員の2018年の年間平均賃金が約9万4,258元(約148万円)だったと発表した。