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中国バブル経済に黄信号

ブルームバーグ): 中国は貿易戦争の深刻化で経済成長が落ち込み、債務の増大や外国企業の流出に見舞われる恐れがある。今週は摩擦が高まり、最悪のシナリオを考えざるを得ないエコノミストがこう警告している。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)とモルガン・スタンレー、UBSグループはこのシナリオで、中国の経済成長率が約30年ぶりに6%を割り込む水準に減速しかねないと予想。BofAの大中華圏担当チーフエコノミスト、喬虹氏が予想する5.8%のペースは「数字が示唆するよりも悲惨な成長環境」をもたらしそうだ。
アナリストらは世界の供給拠点としての中国の役割が、対中関税引き上げを受けた製造業者の海外流出に伴い受けるダメージを見極めている。また、政府がこうした打撃を追加支出で和らげようとしており、既に国内総生産(GDP)の300%相当に迫る債務がさらに膨らむリスクも警告している。さらに、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)に対して新たに講じられた米市場と米国の供給業者へのアクセス制限は、中国が対応せざるを得ない経済的封じ込めの脅威を鮮明にする。
マッコーリー・セキュリティーズの中国担当チーフエコノミスト、胡偉俊氏は「潜在的な長期コストは多大だ。日本銀行プラザ合意後に日本経済を過剰に刺激したことなどから、日本が『失われた10年』に突入した経緯を知る必要がある」と述べた。
米国との通商対立のエスカレートは、既に見られる経済的な動揺を悪化させそうだ。15日に公表されたデータは、トランプ大統領が2000億ドル相当の中国製品に対する輸入関税を10%から25%に引き上げる前の4月の段階で経済成長が勢いを失っていたことを示した。こうした弱さを考慮すれば、中国の習近平国家主席は来月日本で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の際にあるとみられるトランプ大統領との会談で、経済対立長期化の回避を図る可能性が高まる。
中国経済は短期的に、波乱に満ちたコースをたどりそうだ。ブルームバーグエコノミスト調査の予想中央値によると、2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税で今年の成長率は0.3ポイント押し下げられる見通し。米国が全ての中国製品に関税を適用した場合、さらに0.6ポイント押し下げられると見込まれている。
モルガン・スタンレーによれば、本格的な対立エスカレートで、米中両国が25%の関税を全面的に適用すれば、中国の経済成長率は今年の6-6.5%の成長目標の下限を年後半までに下回り、来年は5.5%に減速するという。