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中国 失業ラッシュ

サンケイ
中国の2018年の国内総生産(GDP)成長率が28年ぶりの低水準となる6.6%にとどまり、景気減速が鮮明になる中、国内では雇用減による「失業ラッシュ」への懸念が高まっている。
中国経済の減速は、(1)地方政府や国有企業の債務削減方針を受けて固定資産投資の伸びが大きく鈍化し、(2)さらに17年に好調だった自動車や携帯電話などの消費が冷え込み、(3)米中貿易戦争が生産と消費に追い打ちをかけている-ことが原因だ。
こうした中、ブランド力の低下も相まって中国国内での業績不振にあえぐ米アップルの苦境は、同社スマートフォンの受託生産工場を抱える国内の雇用にも大きな影響を与えている。
アップル製品を受託生産するフォックスコン鄭州河南省)工場は約25万人、和碩子会社の上海工場は約6万人の労働者を抱えている。上海工場では11月中旬からXR生産ラインの撤去が始まり、「週休3日」になるなど収入が大幅に減少したことから多くの労働者が離職したという。
ブルームバーグ通信は昨年12月、iPhone販売の不振を受け、フォックスコンが今年に入り非技術職員の1割を削減する方針だと報じた。
中国共産党が経済成長率を一定の範囲内に保つことにこだわる理由は、雇用の減少で失業率が上昇すれば社会の不安定化を招き、ひいては一党独裁体制を脅かしかねないからだ。公表された数値だけでは雇用状況の正確な把握は難しいが、当局側が危機感を強めていることは間違いない。

中国人民銀行中央銀行)の易綱総裁は10日記者会見し、貿易摩擦に関連して輸出競争力を高めるために人民元レートを切り下げることは「絶対にない」と強調した。為替政策については米国との貿易協議でも議論し、既に多くの点で合意に達したことも明らかにした。
トランプ米政権は、中国が意図的に人民元レートを安く誘導することを警戒している。易氏は「元レートを合理的な水準で安定を保つ必要がある」と強調しつつ、市場原理に基づいて為替相場が決まる方向へと今後も自由化改革を進めていくと強調した。
また国内の景気減速に対応するため、民間企業が資金を借りる際の金利を引き下げる対策を進めるほか、銀行の貸し出し余力を増やす預金準備率の引き下げをさらに行う「余地がある」とも語った。(北京 共同)