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衰退進む英製造業 海外資本流出でさらなる落ち込みも

サンケイ
19世紀に「世界の工場」と呼ばれた英国の製造業が衰退の色を強めているのはEU離脱の影響だけではない。英国は1979年から約11年間続いたサッチャー政権下で日本の自動車メーカーなど海外企業の誘致を推進し、国産の製造業の発展はほぼ途絶えた。近年は賃金が安い新興国の台頭で、英国での製造に二の足を踏む企業も増え始めている。EU離脱で海外資本の製造業まで流出すればさらなる落ち込みは不可避だ。
「英国の製造業は数十年前から、他国の強豪選手が活躍するテニスのウィンブルドン選手権のようになった」。英国の製造業に詳しい専門家はそう指摘する。
1970年代末、英国は「欧州の病人」と呼ばれるほどに経済が行き詰まっていた。当時、首相に就任したマーガレット・サッチャー氏は倒産や事業売却が相次いだ製造業に見切りをつけ、金融・不動産を中心とするサービス業に重心を移す。その後、英国の自動車メーカー大手、MGローバーが破産するなど、国際競争力をもつ英国の製造業は「ごく一握り」(自動車メーカー幹部)となった。
こうした中で英国に製造拠点を移したのが日本の自動車メーカーだった。サッチャー氏は欧州市場へのアクセスを求めていたトヨタ自動車日産自動車、ホンダの誘致をバックアップ。英自動車工業会(SMMT)関係者は「英自動車業界の所有者はもはや英国でなくなった」と打ち明ける。
しかし英国は欧州市場への拠点としての魅力でも見劣りし始めた。安価な労働力を武器とするアジアに生産拠点を移す企業が増え、1995年は17.3%だった英国の国内総生産(GDP)に占める製造業の比率は2016年には10%となった。日本メーカー関係者は「英国は他の欧州各国と同じく労働者の権利意識が強い。対応には苦慮している」と明かす。
英国離れは英国メーカーにも広がる。英国の家電大手、ダイソンは今年1月、シンガポールへの本社移転を発表した。田中理・第一生命経済研究所主席エコノミストは「大半を海外企業の投資が支えてきた英国の製造業はEU離脱リスクでさらに追い込まれる」と指摘する。


英国がEUのメンバ-でなくなることは、欧州本土とは一線を画す孤島になるということ。
記事にもあるが、英国は1970年代に「英国病」と呼ばれた経済低迷時期があった。「揺りかごから墓場まで」高福祉路線を歩み、経済や財政はガタガタになった。
おそらく、英国はEU離脱によって財政規律の縛りから解放され、巨額な財政出動を行うでしょう。企業が英国を離れ、法人税収は落ち込み、財政赤字は相当膨らむものと推測します。
英国にとっての苦難は、合意があろうとなかろうとEU離脱から始まります。