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英国 大英帝国の栄光を取り戻す決意表明

ロイター
英紙サンが14日報じたところによると、中国の胡春華副首相はハモンド財務相との通商協議を取りやめた。ウィリアムソン英国防相が、太平洋に空母を派遣する方針を示したことへの抗議という。 

事の発端は、英国が東南アジアに海軍基地を置く計画を進めていることにありそうです。ウィリアムソン国防大臣は、ブレグジット後の新たな英国の軍事プレゼンスを構築したいと語り、英国がかつて植民地・保護領としていたシンガポールブルネイが基地の候補に上がっている。実現すれば、南シナ海の実効支配を進める中国に対抗する「航行の自由作戦」などで、米国のアジア太平洋戦略を補完する前線基地となる。
3月29日のEU離脱を控え、ウィリアムソン国防大臣は、「今は、我が国にとって第2次世界大戦後最大の転換点だ。今こそ再び真のグローバル・プレイヤーになるときだ。私は、軍がその重要な役割を果たすと考えている」と語った。
英国が進める海外海軍基地建設は東南アジアとカリブ海の2ヶ所に建設する計画で、特にアジアへの進出は日本との軍事同盟関係を直接的に強化するものともなる。
ウィリアムソン国防大臣の発言は、第2次大戦前の大英帝国の栄光を取り戻す決意表明にも聞こえるが、「今の英国に基地建設を実行できるだけの資金と戦略的ビジョンはあるのか?」という懐疑的な見方も多い。
しかし、「最近の英国の防衛戦略を検証すると、アジアでの基地建設は単なる思いつきではなく、ここ数年の動きの論理的な延長線上にあるものだと分かる」(CNN)など、英国の本気度を強調する報道も多い。
英海軍は、昨年後半だけでも、8月に強襲揚陸艦アルビオン」が日本に親善訪問した後に南シナ海で「航行の自由作戦」を行ったほか、12月23日にはフリゲート艦「アーガイル」などが日本の本州南方の太平洋で初の日米英共同訓練を行うなど、アジア太平洋地域で積極的な活動を展開している。そして今回、新鋭空母「クイーン・エリザベス」を太平洋海域へ派遣する考えを明らかにした。
一方、英国のアジア海軍基地建設には、経済的な目論見もあると見る識者も多い。英国は世界第6位の武器輸出国で、近年はEU域外への輸出の割合が増えており、ブレグジット後はさらに高まるものと見られる。EU離脱により経済後退期が訪れると予想されるなか、英国経済はアジア太平洋地域への武器輸出拡大に活路を見出したい思惑があるようです。「アジアの基地は武器のショールームとなる。大口の武器取引は、ポスト・ブレグジットの英国経済の大きな原動力となる」と、CNNは報じている。
なんか、英国が迷走しているような・・・。