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中国 45兆ドル(約5000兆円)規模の金融システムが直面する課題

中国本土の銀行4000行を対象にした中国人民銀行中央銀行)による初のリスク審査で、10行につき約1行が及第点に達せず、45兆ドル(約5000兆円)規模の金融システムが直面する課題が浮き彫りとなっている。
人民銀が公表した2018年版「中国金融安定報告」によれば、420の金融機関が極めてリスクが大きいと見なされる評価8以上(最高評価が1、最低は10)に分類された。最高評価を受けた銀行は2行だけだった。具体的な金融機関名には一切触れていない。
8以上に分類された金融機関は、新規業務や再貸し出し、当局からの支援が制限される制裁措置の対象となると人民銀は説明している。調査は今年1~3月に行われた。(ブルームバーグ

今年初めに調査された結果を今頃発表とは、あまりにも遅い。もうすぐ年末ですから(苦笑)
内容は、「実におめでたい結果」。ウソ八百、いやウソ八千万。
リスク審査で、10行につき半数以上が及第点に達せず、「この結果発表はまずいだろう」と、「10行のうち3行にしとけば?」、「いやいや、3行でも多過ぎる。1行としておけばいいんじゃね?」、「そうするか」、などの議論が交わされ、今頃発表されたとか?
まぁ、真実は負の清算が終わってみないとわかりませんが。
中国人民銀行中央銀行)の潘功勝副総裁は10月、人民元に対する下落圧力が高まっていることについて、引き続き為替市場の見通し安定化に向けた措置を講じていくと述べた。
今年の人民元相場が他の新興国・先進国通貨と比べて安定しているとし、投資家に対して人民元の下落に賭けるのはやめるべきだと警告を発した。
しかし、昨今の市場が警戒しているのは、ハイペースで膨らんでいる中国の民間企業の負債残高である。中国の負債水準はさまざまな国際機関や民間金融が推計しているが、中国の非金融企業の負債水準は国家のGDPの2倍にまで達したとの見方が強まっている。
経済の拡大膨張は、必ずと言っていいほど負債債務の拡大膨張ありきで達成される。極端な例では、カネを借りてまでギャンブルをする「レバレッジ」という手法がある。資産価格が右肩上がりの上昇なら、高いリターンを得るためにカネを借りてでもやった方がいいという考えです。ところが目論見にはずれ、いろいろな要因によって資産価格が下落してしまえば、手元に残るのは資産債権から負債債務を差し引いた金額になる。幸い、純資産がプラスならいいが、純負債なら債務超過、存続の危機となる。
非金融部門の企業が銀行などからカネを借りて、不動産や機械設備を揃えてビジネスを行うことを「ギャンブル」とは呼ばない。しかし、このやり方は、レバレッジを効かせた「ギャンブル」と呼ばれていることとやっていることに大差はない。
要は、負債債務の拡大膨張が無ければバブル経済は生み出されない。そして、生み出されてしまったバブル経済は、いつか負の清算を求められる。日本もそう、米国もそう、そして中国も。