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中国人民元は今月の下落率がトルコ・リラに次ぐ大きさ

ブル-ムバ-グ
貿易を巡る米中対立が通貨戦争へとエスカレートする気配を見せる中、新興市場の投資家にとって最大の懸念材料に人民元が再浮上してきた。
貿易を巡る緊張が高まるとともにドルが上昇する一方で、元は下落を続け、中国が政策手段として意図的に元安を容認しているとの懸念が生じている。これに怒りをかき立てられたトランプ米大統領は、為替相場を操作しているとして中国と欧州連合(EU)を非難。オフショア人民元の1週間物インプライド・ボラティリティー(IV)は5カ月ぶりの高水準に上昇した。中国外務省報道官は23日、通貨安競争を通じた輸出拡大は同国が望むものではないと言明。同国経済の健全なファンダメンタルズが通貨を支えているとコメントした。
アバディーン・スタンダード・インベストメンツの新興市場ソブリン債責任者、エドウィングティエレス氏(ロンドン在勤)は「人民元は間違いなくリスクを強めているが、アジアではそれがはるかに大きくなる」と指摘。「だが、中国当局は秩序が崩れるのを放置しないはずだ。資本流出の阻止に成功したばかりなのに、大幅な元安でその懸念を再び引き起こすようなことはしないだろう」と述べた。
中国人民銀行中央銀行)は先週、ほぼ1年ぶりに中心レートを1ドル=6.7元を超える元安水準に設定し、20日には過去2年で最も大幅に中心レートを引き下げた。グティエレス氏は、1ドル=7元まで下落すれば、新興市場全体にパニック売りが広がるかもしれないと警告する。
新興国通貨のうち、中国人民元は今月の下落率がトルコ・リラに次ぐ大きさ。韓国ウォンやインドネシア・ルピアも売り浴びせに遭っている。一方、アルゼンチン・ペソやメキシコ・ペソ、ブラジル・レアルは比較的堅調だ。アバディーンでは中南米通貨を「しばらくの間」オーバーウェートにしていると、グティエレス氏は語った。

中国人民元/日本円 推移
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