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中国企業のデフォルト続出にご用心

11兆ドル(約1210兆円)超の規模を誇る世界3位の中国債券市場と国際金融システムを結び付ける中国当局の取り組みが、2つの逆風にさらされている。世界的な借り入れコストの上昇と中国自身が進めるレバレッジ削減が原因だ。
格付け会社フィッチ・レーティングスによれば、こうした状況下で今月4日までに年初来で12社の発行体がデフォルト(債務不履行)に陥った。2017年全体で不履行となった発行体は18だった。JPモルガン・チェースやフィデリティ・インターナショナルなどは今後のデフォルトに備えるよう警告している。
中国国内では約8兆2000億元(約138兆7400億円)相当の社債や地方政府の証券が1年以内に償還を迎えることになっており、中国が結果にかかわらず取り組みを進める覚悟があるのかは分からない。
中国当局は14年にほぼ全ての債券で暗黙の保証をやめ、初めて不履行を認めるようになった。市場の規律を持ち込み、非効率な企業を罰して生産的な資本配分をさらに促すことが狙いだった。中国債券市場の規模は非常に大きいため、移行には常に細心の注意を要する。
どの発行体が不履行になるかの見分けが難しく、世界基準の信用格付け業界を一夜で育成するのも困難だ。クレジット調査チームやリスク管理デスクで経験豊富な人材もまだ少ない。リスクをヘッジするためデリバティブ市場の整備を進める必要があることは言うまでもない。(ブルームバーグ