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英国の利下げ

ロイター
3月半ばに退任する英イングランド銀行(BOE、中央銀行)のカーニー総裁は、後任のベイリー金融行動監視機構(FCA)長官にタイムリーな置き土産を残すことになるかもしれない。英経済の弱さは中銀総裁に今月末の利下げの根拠を与えるだけでなく、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が昨年実施した金融緩和に英国が「追いつく」余地も与えるからだ。
利下げをベイリー氏就任後に遅らせるのは危険だろう。英国立統計局の13日の発表によると、昨年11月の国内総生産(GDP)は前月比が0.3%減とマイナス成長で、前年比は0.6%増と2012年以来の低い伸びだった。月ごとの振れをならした3カ月平均の数字も弱く、2カ月連続で鈍化した。
ジョンソン首相が昨年12月の総選挙で想定外に大勝して以来、企業の景気楽観論が少し高まっているのは事実だ。IHSマークイット/CIPSが最近発表した12月の英サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の見通し指数は18年9月以来の高水準だった。もっともサービス部門全体の企業信頼感を示す総合指数は、好不調の分岐点の50ちょうどへの改善にとどまった。これは昨年第4・四半期の景気不振とつじつまが合う。
英国の欧州連合(EU)離脱の結果が不確実なことは、確かに、BOEに様子見をする理由があることを意味した。秩序なきEU離脱となればポンドが急落し、輸入物価が急騰して2%のインフレ目標を危険にさらしたかもしれなかった。英中銀はいかなる急激な景気下振れを退治するためにも、手段を温存したかったかもしれない。
しかし、英中銀が座して手を止めている間に、FRBとECBはいずれも金融緩和を進めた。
ジョンソン氏の大勝は、英国が1月31日に秩序ある形でEUを離脱することを意味する。英国とEUの今後の貿易関係は依然としてはっきりしないが、それが明確になるのは今年終盤以降になるだろう。
従ってカーニー氏は、18年に実施した金融引き締めを逆転させることができて、その上にさらなる利下げの余地をベイリー氏に残すことになる。英政策金利は引き締めで0.5%から0.75%になっている。カーニー氏が今動いておけば、新BOE総裁が防御態勢のまま任期をスタートさせるのを回避することにもなろう。
英国立統計局が13日発表した英国の昨年11月のGDPは前月比が0.3%減とマイナスになった。サービス業と製造業がいずれも落ち込んだ。前年比は0.6%増と2012年6月以来の鈍い伸びだった。
*英中銀金融政策委員会のブリハ委員は12日付の英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、国内の成長に関するデータに「早期で著しい改善」が見られない限り、今月の政策会合で利下げに投票する考えを示した。
*ブリハ委員の発言に先立つ9日、カーニーBOE総裁は英経済の弱さが続くようなら中銀は利下げする可能性があると述べた。
*英中銀金融政策委員会のテンレイロ委員は10日、向こう数か月、景気が上向かなければ1度利下げすること支持する方向に傾くだろうと述べた。