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米国の光と陰

米国では去年1年間に1日平均56万人余りがいわゆる「ホームレス」の状態にあるという調査結果を、今月政府が発表し、貧富の格差の拡大や都市部の住宅価格の高騰を背景にその数は2016年以降増加傾向が続いていて、対策が追いついていません。
14日、首都ワシントンでは連邦議会与野党の下院議員や政府高官、支援団体の代表が出席して対策会議が開かれました。
出席した民主党議員は、トランプ大統領民主党が主導するサンフランシスコなど大都市のホームレス対策を批判していることを取り上げて、「非難するよりも、党派を超えて取り組む時だ」として与野党が結束して予算の拡充に取り組む必要性を強調しました。
また、各地で1万以上のNPOと連携してホームレス支援を続ける団体の代表は、低所得者が住宅を購入したり賃貸したりする際の補助金を去年よりも11%増やして年間30億ドルを計上すべきだと訴えました。

米国の第1四半期から第3四半期、実質GDPは3.1%から2.0%、1.9%へと減少しているなか、株式市場だけが史上最高値をつけている。
11月時点の2019年度GDPは21兆5000億ドルであるのに対し、株式時価総額は31兆5000億ドルと実にGDPの146.5%である。
しかし、企業の税引前利益はここ数年下降傾向にあるのにも関わらず、株式市場は上昇を続けている。ファンダメンタルズで支えられていない株価上昇ともいえる。今は金融緩和政策と企業による自社株買いが上昇の原動力となっている。
好景気とはウォール街に限ってのことのようです。

 

一番の米国の陰は、債務残高にあるとの指摘もある。

CNBCは、ニュース通信社ダウ・ジョーンズと大手テレビネットワークNBCが共同設立したニュース専門放送局。
そこから、米債務残高は対GDP比で109.45%ではなく、何と1832%であると指摘した。
投資顧問会社AB Bernsteinによる債務残高の試算だが、本来の政府、家計、事業会社、金融機関の各部門の債務に加えて、将来支出義務がある公的年金医療保険 (Medicare)、社会保障 (social security)の負担が含まれている。この『隠れ債務』を数値化することで、一気に莫大な債務へと豹変する。

各項目の対GDP比に占める内訳

●連邦、州、地方政府の債務残高は100%
●家計部門と企業部門の債務残高は150%
●金融機関の金融債務残高は450%
●現在の社会保障信託基金の債務残高は27%
●全ての社会保障制度を継続するための支出負担は484%
●本来の75年ではなく「無期限」で計算された全ての社会保障義務支出負担は633%

 

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