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英国のEU離脱 英国衰退の新たな1ペ-ジ

英総選挙はEU離脱を掲げる与党・保守党が過半数議席を獲得して圧勝し、来年1月末までの離脱が確実な情勢となりました。今後は、離脱後にEUと始める自由貿易協定をめぐる交渉が難しい課題となります。
与党・保守党が選挙前よりも大幅に議席を伸ばし議会下院の650議席のうち365議席を獲得して過半数を制しました。保守党が過半数議席を獲得したことで離脱に向けた法案は議会で次々承認される見通しとなり、来年1月末までの離脱の実現は確実な情勢です。
離脱後、英国は急激な変化を避けるための移行期間に入り、来年12月末までにEUとの間で自由貿易協定の締結を目指します。ただ、こうした貿易協定の交渉には通常、多くの時間が必要で1年足らずの間に交渉が順調に進むとは思えません。今回の離脱騒動についても、ゴタゴタが続いてきましたので、移行期間でもロクに進展しないと思われます。期限内に妥結できなければ「合意なき離脱」と同じような混乱を招くことが予想されており、予断を許しません。
一方、今回の選挙では、イギリス連合王国からの独立を求めるスコットランド民族党が地域全体の議席の8割を占める躍進を遂げ、連合王国から独立したうえでEUに残留したいという声を強めていて、住民投票の実施を改めて求める動きが新たな火だねになりそうです。
ジョンソン首相は13日、2016年のEU離脱をめぐる国民投票後、国を分断する議論が続いてきたことを振り返り、「3年間、不毛な議論が続けられてきた。これに終止符を打ち、和解を始めよう。EU離脱の議論はこれで永久に中断だ」と述べ、EUからの離脱は揺るがないものとなりました。
ここまで政治的な要因でポンド相場は大きく動きました。その間、英国の実体経済は大きく変化しています。企業は英国を離れ、雇用に影響も出てきました。いったん英国を出た企業は戻ることはありませんので、新規に英国へ進出企業がどこまで穴埋めできるかにかかっていそうです。
欧州の金融の中枢が、英国からドイツへ動き出している点にも注目です。