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中国企業のデフォルト連鎖も

ロイター
中国で民間企業が債務保証し合うことで資金調達してきた仕組みがほころび始めている。これによって金融システムに存在するさまざまなリスクが浮かび上がっており、減速基調が強まる経済に新たな悪影響を及ぼしかねない事態と言える。
既に警報が鳴り響いているのは、石油精製業と重工業の一大拠点である山東省東営市だ。ロイターが裁判所の記録を確認したところでは、少なくとも民間28社が債務再編を通じて経営破綻を回避しようとしており、そうなった主な原因は保証していた他の企業の債務が焦げ付いたことだった。
28社の中には、2018年に中国の優良経営企業ベスト500に選ばれた、山東大海集団や山東金茂紡織化工集団などが含まれている。
中国の民間企業が銀行から融資を受けようとする場合、特にそれが従来型の資本集約的な産業であれば、相当な担保を差し入れるか、別の企業に保証してもらう必要が出てくる。保証を請け負う企業自体も、また違う企業から債務保証をしてもらっている公算がかなり大きい。
東営市における民間セクターの混乱は、まさにこの相互債務保証が本来持つ危険性をはっきり示している。つまりいざ1件が不良債権化すると瞬く間にデフォルト(債務不履行)が連鎖し、地域の金融システムが損なわれて新規融資の動きに支障が生じる恐れがある。
心配なのは、民間企業の相互債務保証は中国全土で普及している以上、東営市のケースが氷山の一角にすぎないのではないかという点だ。
民間企業はどうしても資金調達面で制約を受ける。なぜなら銀行は非国有セクター向け融資に消極的だからだ、と話すのは北京に拠点を置くアジア金融協力協会のYang Zaiping事務局長だ。
「民間企業の中国経済に対する貢献度と資金調達額の間にはすさまじい不均衡が存在する」と指摘。民間セクターが税金の50%を負担し、国内総生産(GDP)の60%をもたらし、都市部雇用の80%、新規雇用の90%を生み出しているのに、実行された融資の25%しか受け取っていないと説明した。
また、民間企業が債務返済のための担保を持っていないとすれば、債務保証を受けるしかなく、そうなると調達コストが2─3%ポイント切り上がると付け加えた。
中国第2の規模を誇る勝利油田がある東営市はかつては、国内有数の富裕な都市で、2017年には山東省で1人当たり所得が最も高かった。ところが好況時に地元企業に過剰な融資が実施され、企業がもうからない分野にまで事業の手を広げた結果、与信環境の悪化や政府による債務圧縮キャンペーンが始まるととともに、融資や社債のデフォルトが続いた。
このため東営市の2つの銀行は突然、不良債権が急増してしまった。広饒農村商業銀行の場合は、不良債権の95%に保証が付けられているとはいえ、保証している企業自体が借金まみれだったり、生産を停止しているケースもあり、ほとんど役に立っていない。
ある金融関係者の話では、人民銀行(中央銀行)は昨年1月以降、銀行の預金準備率を計5回も引き下げたが、銀行は浮いた資金を融資に回さず、「いかなる犠牲を払っても」債券を購入している。
業種を見ると民間企業は製造業と不動産に集中しており、これらのセクターの不良債権比率は全業界平均よりずっと高い。さらに昨年の経済成長率が28年ぶりの低さになったことで、民間の相互債務保証が中国の金融システムに不良債権危機をもたらすのではないかと懸念される。
山東省当局者は「成長が鈍化して経済への圧迫が強まるとともに、金融リスクはいとも簡単に波及性を持つようになる」と警戒感を示した。


中国企業、ドル調達苦戦 社債金利 1年で2%上昇
資金繰り圧迫 市場のリスクに

日経新聞
中国企業がドルの調達に苦戦している。ドル建て社債の発行金利は直近3カ月の平均で7.8%と、1年前の5.6%に比べ2%も上昇した。満期までの期間も0.7年ほど短くなり、調達環境の悪化が鮮明だ。国内で多発する債務不履行や、景気減速に伴う業績低迷が金利高につながっている。調達コストの上昇が続けば業績や資金繰りを圧迫し、中国経済の新たな重荷になりかねない。


中国共産党中央弁公庁と国務院(中央政府)弁公庁は14日、民営企業への金融サービス強化に向けた政策意見を公布した。金融機関の融資において民営企業と国有企業を差別せずに扱うことなどを定めている。
しかし、現実は民営企業への金融支援は厳しいものとなっている。
崩れそうで崩れない中国バブル経済。
米国がどこまで中国を追い詰めるのか、じっくりと観察することにしましょう。