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第一次ブレグジットショック(2016年)を振り返る ~ポンド/円

<ポンドロングは16.5倍>
英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票は、マーケットだけでなく、事前の世論調査ブックメーカー(賭け屋)も残留予想が大勢だった。ミセスワタナベのポンド買いは、得意の「逆張り」ではなく「順張り」だったと言えるかもしれない。
しかし、離脱と残留のどっちに転ぶか分からない英国民投票をめぐる大きな不透明リスクを前にして、そのポンド買いの積み上げぶりは異彩を放っていた。その意味では、得意の「逆張り」と評することもできる。
東京金融取引所のFX「くりっく365」。個人投資家のポンド/円のポジションは、英国民投票が実施された6月23日の直前、売り建て1万3851枚に対し、買い建ては22万8768枚。その比率は16.5倍に達していた。比率に差はあっても、買い建てが売り建てを上回るFX会社ばかりであった。
しかし、日本時間6月24日正午前、多数の予想に反して離脱派勝利の報が相次ぐと、ポンド/円(GBP/JPY)は急落。その日の高値160円から、133円まで約27円(約16.7%)下落し、2008年のリーマン・ショック時の約20円を超える下落となった。

<リーマン上回る強制ロスカット
FXでは、取引通貨が一定程度以上急落し、証拠金が必要額を下回った場合、レバレッジの大きさに応じて証拠金の不足分の入金もしくは反対売買によるポジションの決済を迫る「強制ロスカット」が発生。投資家に大きな損失が発生する可能性が出てくる。
今回、一部のミセスワタナベは、ポンド/円の買い建てを積み上げていたこともあって、FX会社によっては強制ロスカットが急増。「その数はリーマン・ショック時を上回り、15年夏の中国経済減速への懸念に端を発する『チャイナ・ショック』と並ぶほどに膨らんだ」(FX会社)という。
クロス円は対円での流動性が低いことから、ドルを介して取引されることが多い。ポンド/円であれば、強制ロスカットは「ポンド売り・ドル買い」と「ドル売り・円買い」の組み合わせとなり、ドル/円相場にも影響を及ぼす。
ポンド/円が140円を割り込んだ局面では、個人の強制ロスカットを介してドル/円に波及。ドル100円割れの「ダメを押した」(別のFX会社)とみられている。ドル/円はストップロスなども巻き込み、一時99.00円まで急落した。
第二次ブレグジットショックはいかに !?