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相場予想 BOA、JPモルガン・チェース

米金融当局は現行の利上げサイクル開始から2年余りを経て、ようやく金融情勢の引き締めに成功しつつある。唯一の問題はその経済的な影響が米国自体よりも海外で感じられている点だ。
米国債利回りの上昇とドル高に伴い、ドル建て債務を積み上げた国々の信用力を再検討する動きが投資家の間に広がり、新興国市場は動揺に見舞われている。
これとは対照的に米経済は大型の景気刺激策に支えられて力強く前進する見通しで、今年4~12月の成長率は平均で年率3%前後に達するとエコノミストは予想している。
バンク・オブ・アメリカBOAメリルリンチの世界経済調査責任者、イーサン・ハリス氏は「米国がくしゃみをすれば世界の他の地域が風邪をひくという、古いことわざにやや似た状態だ」と語った。
6月12、13両日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で今年2回目となる利上げを見送ることはないと予想されている。
FRBウオッチャーが注視しているのは、3月に続き6月も実際に利上げした場合、当局が予想する年内の利上げがあと1回と2回のどちらになるかだ。JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は後者の2回と見込んでいる。
一方、原油価格が上昇する中、産油国通貨が再び原油相場との連動性を高める方向にある。BNPパリバの外為ストラテジスト、ナタリー・リカール氏によると、原油価格との関連性が昨年ほとんど失われていたノルウェー・クローネとカナダ・ドルは伝統的な連動性を再確立する態勢にある。両国通貨と原油価格の相関性の高まりのほか、原油価格が1バレル=80ドルを超えると為替相場が幅広く原油相場の変動の影響を受けやすくなることを示した分析を同氏は指摘した。
リカール氏はリポートで、「ノルウェーの石油収入は力強く増加しているものの、ノルウェー・クローネは控えめな上昇にとどまっている。このタイムラグに加え、ノルウェー銀行(中央銀行)による引き締めサイクルを市場が一段と織り込んでいく可能性が高いという当社の見方を勘案すれば、クローネには相当上昇する余地があるだろう」と指摘した。
BNPは1ユーロ=9.25クローネを目標にユーロ/クローネのショートを推奨。クローネは5月第3週に週間ベースで3週連続高となった。
カナダ・ドルにも原油価格の上昇は二重のプラスとなりそうだ。リカール氏はインフレ加速の中で金融政策が一段とタカ派寄りに傾斜する可能性や輸出の伸びを後押しすると分析。カナダ・ドルの先高観が強まったと指摘した。
ただ、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に伴うリスクの中では、1米ドル=1.28カナダドル前後のレンジにとどまるとの見方も示した。(ブルームバーグ