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イラン核合意Ⅹデ- 5月12日

BBC News

国連のアントニオ・グテーレス事務総長はBBCとのインタビューで、ドナルド・トランプ米大統領に対し、イランの核兵器取得を阻むための国際合意から離脱しないよう呼びかけた。
グテーレス事務総長は、イラン核合意が保たれなかった場合、戦争の真の危険性が生まれると述べた。
トランプ大統領経済制裁の解除と引き換えに核計画の制限に合意したイラン核合意を激しく非難している。
トランプ氏は5月12日を期限として核合意に加わり続けるかどうか決断するとしている。
グテーレス氏はインタビューで、イラン核合意は「重要な外交的勝利」であり、維持されるべきだと語った。
同氏は「良い対案を持たずに、合意を放棄すべきではない」「我々は危険な時を迎えている」とした。
グテーレス氏の発言の数日前には、イスラエルが「秘密の核ファイル」の存在を公表し、イランは核兵器開発を秘密裏に続けていると非難。マイク・ポンペオ米国務長官はこれらのファイルが、オバマ時代の核取引が「うその上に構築された」という証拠を提供したと述べた。
一方で、核合意に加わったフランス、英国、ドイツの欧州各国は、現在のイラン核合意を継続することが核兵器開発を止める一番の方法と一致している。

イラン核合意とは

イラン政府は2015年、同国に打撃を与えていた経済制裁の解除と引き換えに核開発を制限する合意を、米国、中国、ロシア、ドイツ、フランス、英国と結んだ。
公式には包括的共同行動計画(JCPOA)と呼ばれるこの合意の下、イランはウラン濃縮に使われる機械である遠心分離機の数を減らすことに取り組んできた。
このことは、濃縮ウランの貯蔵量を大幅に減らすこと、そして残ったウランも核兵器製造に必要な水準に濃縮しないことも意味する。
イランのナタンズやフォルドにある核施設に設置された遠心分離機の数は、核合意が結ばれてすぐに劇的に減少した。この間、数トンの低濃縮ウランがロシアに輸送された。
また、国際原子力機関IAEA)から派遣された査察団は、イラン核施設に抜き打ち検査も実施することができた。

イスラエルが今週行った主張

イスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相は4月30日、イランが秘密裏に核兵器開発を進めていた証明だという資料の存在を公表した。
ネタニヤフ氏はテルアビブにある防衛省で、英語で話しながら、イスラエルの情報機関がイランの首都テヘランにある秘密施設から入手したとする資料の「正確なコピー」を提示した。
同氏によると、それは「アマド計画」と呼ばれるイランの核兵器開発に関する5万5000ページの書類と、183枚のCDに入った5万5000のファイルだという。
この計画は、それぞれがトリニトロトルエンTNT)火薬10キロトン相当の破壊力を持つ5つの核弾頭製造を明確な目標にしていたとネタニヤフ氏は述べた。
ネタニヤフ氏は、2003年に計画が停止された後も、イラン政府は同氏が言うところの核兵器技術の習得を推進し続けていたとした。
同氏はこの資料が、2015年に核合意が結ばれる前、イランが核兵器への野心を持っていないとしていたのはうそだという証拠だと述べた。
長い間敵対関係にあるイランとイスラエル間の緊張は、イランがイスラエルの北東に位置するシリアに駐留軍を送って以来、徐々に高まっている。

トランプ氏が唱える核合意への異議

トランプ氏は自身が「史上最悪」と表現する核合意について、「ばかげた」取引だとして頻繁に反対を表明してきた。
同氏は、核合意に署名した欧州各国と米議会がトランプ氏の懸念に対応しない限り、経済制裁解除の次の期限である5月12日に、米国は完全に核合意から離脱するだろうと警告した。
トランプ氏は、核合意がイランの核兵器開発に課している制限が期限付きであることや、弾道ミサイルの開発を止めることができていないことに不満を見せている。
また同氏は核合意が、中東地域全体に「武器、恐怖、抑圧をもたらす不正資金」として使われた1000億ドルの臨時収入をイランにもたらしたとも述べた。

イランの反応

イランのハッサン・ロウハニ大統領は、イランと欧米など6カ国が結んだ核合意を変更しようとする米国とフランスの試みについて、その法的正当性に疑問を投げかけている。
ロウハニ氏は、トランプ氏は7カ国で結んだ核合意について再交渉する「権利」を持っていないと述べ、イランは今後数年の間、国際的なルールに従うという「約束以上のいかなる制限も受け付けない」とした。
同氏はまた、核合意を「悪意を持ってかき乱している」とトランプ氏を非難した。
イランは、実験しているミサイルは核弾頭を運ぶために設計されたものではないとしており、同国の核計画は電力目的の平和的なものだとも主張している。
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イラン核合意Ⅹデ- 5月12日(翌13日も)は、為替相場、株式相場などが大きく変動しそうです。
5月12日まで円高へ動けば、市場はそのリスクを織り込んでいる証。逆に、円安へ動けば、市場はそのリスクを軽視している証で、イラン核合意が保たれなかった場合、サプライズとして円が急騰する可能性がある。
では、ポンドとカナダドルではどちらが優位?個人的には、カナダドル優位と考えたい(希望的観測です 苦笑)。イランの戦争リスクは、原油高へ作用し、産油国通貨の上昇をイメ-ジしたい。