fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

世界の製造業は低迷に

米国 ISM製造業購買担当者景気指数
結果 48.1 予想 49.2 前回 48.3

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その中でも、ISM製造業雇用指数
結果 46.6 前回 47.7

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My Big Apple NY
米11月ISM製造業景況指数はと48.1と、市場予想の49.2を下回った。前月の48.3にも届かず。2009年6月以来の低水準だった9月の47.8を含め、4ヵ月連続で分岐点の50を割り込んでいる。10月10~11日開催の米中閣僚貿易協議会議開催で第1段階の合意に達し、GMストライキが収束し、ボーイング737の年明け運航再開の目途が立つなかでも、センチメントは改善しなかった。

トランプ大統領は3日、中国との貿易協議妥結が2020年の米大統領選以降となる可能性を示唆しました。月内の妥結期待を削ぎ、一時ダウは400ドル安に。このままでは、12月15日から555品目の中国輸入品に追加関税が発動すること必至。米中貿易摩擦が泥沼化すれば設備投資の低迷により米景気を下押しするリスクが高まる見通しのところ、トランプ氏に次の一手はあるのでしょうか。

米10月建設支出は前月比0.8%減の年率1兆2,911億ドルとなり、市場予想の0.4%増を下回った。前月の0.3%減(0.5%増から下方修正)を含め、2ヵ月連続で減少している。
民間は前月比1.0%減となり、前月の1.1%減に続き2ヵ月連続で減少した。住宅が0.9%減と2ヵ月ぶりに減少したほか、非住宅も1.2%減と4ヵ月連続で落ち込んだ。公共は0.2%減と、4ヵ月ぶりに減少した。住宅が6.9%減と3ヵ月ぶりに落ち込んだほか、非住宅も0.1%減と4ヵ月ぶりにマイナスに転じた。

 

 

●忍び寄る再度の世界的過剰債務問題

大和総研 経済調査部

足元では半導体などハイテク関連製品に世界的需要の持ち直しが見られるなど、製造業も悪化一辺倒ではなくなってきた。これが依然として停滞を続ける世界貿易の底入れにつながるかが当面の一つの注目点である。無論、世界貿易に関しては米中間の通商協議の行方にも大きく左右される。トランプ米大統領は摩擦の激化の回避がさしあたり景気対策選挙対策として望ましいと考えている節があるが、反政府デモが長期化している香港問題の取り扱いが両国間の「ディール」の不確実性を高めている。反政府といえばもう一つ注意すべき点がある。中南米ではアルゼンチンで左派政権の復活が決まったことに加えて、同地域の優等生的存在であったチリでも「反政府」活動が激化・長期化し、少なからぬ死者を出す事態となっている。きっかけは公共交通機関の運賃引き上げにあったとされるが、アルゼンチンのケース同様、新興国における緊縮政策の遂行の難しさを印象付ける事例である。アルゼンチンでは政権交代に至ったわけだが、そこまでいかずとも、今後政策の安易な左傾化に走る新興国が増えていかないかに注意が必要であろう。それは各国の財政を毀損し、場合によっては為替レートの下落を惹起する。結果として自国換算ベースでの政府債務負担の増加につながるリスクがある。

米国をはじめとして先進国が金融緩和モードに回帰する中、世界的な過剰債務問題が世界経済のリスク要因として改めて浮上してくる可能性がある。