米国経済景気後退と為替相場
1980年以降、米国経済のマイナス成長、景気後退期は過去5回ありました。
発生時期1 :1980年1月~1980年7月
発生時期2 :1981年7月~1982年11月
発生時期3 :1990年7月~1991年3月
発生時期4 :2001年3月~2001年11月
発生時期5 :2007年12月~2009年6月
の5回です。
ただ、発生時期1と2を分けて考察するかどうかは疑問ですが、時期1から時期2まで1年間プラス成長を挟んでいますので、分けてドル/円の推移を考察します。
発生時期1:1980年1月~1980年7月
この頃の外国為替相場は、現在のように個人や投機筋が自由に売買できる時代ではありませんので、サラっと参考程度に。
発生時期2 :1981年7月~1982年11月
米国の景気後退中にドル上昇円下落。そして、米国経済が景気後退から脱するや否や円急騰。
米国のファンダメンタルズと逆行する流れ。
まぁ、昔話ということで。
発生時期3 :1990年7月~1991年3月
この後、日本のバブル経済熟成で、1991年に1ドル140円超だったものが1995年4月に1ドル80円割れへと向かう。
発生時期4 :2001年3月~2001年11月
この時期の米国の景気後退は、世界を大きく巻き込むものではありませんでした。
発生期間も8か月間と短期間であり、ピークの高失業率でも6.3%ほどで、GDPの低下率も-0.3%と軽いものでした。
中国も「世界の工場」として、ピンピンしていました。
ここまで振り返った中で、米国の景気後退がドル安になるという絶対的経験則はありません。景気後退時期にあっても、ドル高ドル安と変動はあります。政策金利や長期金利の動向、世界経済の動向、政治的要因、財政的要因など、様々な事象で為替相場は動きます。
そして、まだ記憶に新しい世界金融危機。
発生時期5 :2007年12月~2009年6月
この頃の状況は、ネットで検索すれば色々と知ることができますので割愛。
個人的に重要だと思われることは、債券相場と株式相場は経済の景気後退入りと脱出を知る手掛かりになるということです。
では、株式相場が景気後退からの脱出を表しているということですが、NYダウの動きの例からもわかります。
2007年の10月、NYダウ$14,198をピークにリセッションに入りました。その後、2009年3月の$6,469を底値にして急速に回復に向かっていきます。景気後退から脱したことが確認できたのは2009年6月です。