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今後数カ月で1ドル=100円程度まで円高が進む可能性 = 日本銀行前理事

ブル-ムバ-グ
日本銀行前理事の門間一夫氏は、今年は世界経済が同時減速する局面に入るため、リスク回避の傾向が強まり、今後数カ月で1ドル=100円程度まで円高が進む可能性が十分あるとみている。仮に景気後退に陥っても日銀に打つ手はなく、政府が必要と判断すれば財政政策で対応すべきだと主張する。
門間氏は8日のインタビューで、世界経済の減速で「安全通貨として円が買われやすくなる局面は出てくる」とし、「向こう数カ月で100円くらいまで円高が起こっても全く驚かない」と語った。ただ、「世界同時減速といっても調整色が少し強まる程度で済めば大したことはないし、日米とも景気後退まで行かない」と予想。「為替だけで日本経済がぐらつくことは100円程度であれば全くない」との見方を示した。
米中貿易戦争の深刻化など世界経済の下振れリスクが顕在化すれば当然日本も影響を受けるが、その場合も、日銀は「副作用より効果の方が確実に大きいと判断できるような有効な手段を持っておらず、基本的に追加緩和はできない」と指摘。何らかの景気対策が必要だと判断される場合は「財政政策でやればよい」と述べた。
日銀は22、23日に今年最初の金融政策決定会合を開き、四半期に1度の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2020年度までの実質成長率と消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)前年比の見通しを示す。昨年10月時点の政策委員の中央値は、実質成長率が18年度1.4%、19年度と20年度が0.8%、コアCPIが18年度0.9%、消費増税の影響を除き19年度が1.4%、20年度が1.5%。

門間 一夫 氏 (みずほ総合研究所 エグゼクティブエコノミスト東京大学経済学部卒業後、日本銀行入行。日本銀行企画室政策調査課長調査統計局参事役、調査統計局長、企画局長を経て、2012年から2016年5月まで日本銀行理事を歴任。

門間氏は日銀の「異次元緩和」の5年ではっきりわかったことが二つあるという。
まず日本の物価は上昇しにくいこと、そして2%インフレが実現しなくても不都合はない、ということだそうだ。