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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

リ-マンショック前後の円相場を振り返る

リーマン・ショックは、2008年9月15日に投資銀行リーマンブラザーズが破綻した出来事のこと。さらにリーマンブラザーズの破綻が世界的金融危機の大きな引き金となりました。
FRBが 「潰せる銀行」 と 「潰せない銀行」 をふるいにかけていた時、リ-マンブラザ-スを 「潰せる銀行」 と判断したことが、結果として金融危機、金融恐慌へとつながっていきました。
リ-マンの負債総額は約6000億ドル(約64兆円)というとんでもない金額でしたが、それよりも金融デリバティブによって想定外の銀行共倒れも現実味を帯び、世界的な金融システムが崩壊寸前にまで至りました。

2008年6月から2009年5月を1年間として観た場合、対円での各通貨の値幅はかなり大きいものとなりました。

通貨ペアの高値と安値
USD/JPY  110.48円  87.808円
EUR/JPY  169.47円  112.99円
GBP/JPY  215.58円  120.52円
AUD/JPY  104.04円  56.650円
NZD/JPY  82.468円  45.138円
CAD/JPY  106.84円  68.918円
ZAR/JPY  14.819円  8.4993円

こうして観ると、最近まで米ドル高と言われていた割に、ドル/円のレ-トは現在とそう大きくは変わっていませんね。その他クロス円では、かなり超円安水準でした。
米国のダウ平均株価は2009年3月6日に6469.95ドルをつけ、日経平均株価は2008年10月28日に安値6,994.9円をつけました。
ただ、株価の底値は、例えば外国為替でドル/円でのドル底値ではありません。外国為替の底値は株価底値の2~3年後に訪れました。確かにある時期までは株価と連動していたのですが、金融危機や経済危機というのは第一次局面と第二次局面があります。このブログで何度か指摘してきましたが、危機的局面は2回訪れるということです。
第一次は実体経済の悪化によるもの、第二次は政府や中央銀行の対応のまずさ(効果の無さ)による失望、過去の為替相場は第二次で円最高値をつけています。
為替相場はFXでの投機的通貨取引の他、株式売買、債券売買、不動産売買、企業Ⅿ&A,貿易取引、さらには二国間インフレ格差調整も加わることで、円最高値は2011年となっていました。

米ドル/円の年間安値推移

2007年最安値 107.21円
2008年最安値 87.10円
2009年最安値 84.76円
2010年最安値 80.24円
2011年最安値 75.54円(史上最安値)
2012年最安値 76.02円
2013年最安値 86.54円
2014年最安値 100.75円
2015年最安値 115.85円
2016年最安値 99.47円
2017年最安値 107.31円
2018年最安値 104.63円(現在まで)

現在のところ、大きな銀行や企業が破綻しているわけではありませんので、株安円高の流れもそのうち止まるでしょう。
ただ、景気サイクルでの好況は末期にあることは確かでしょうから、エベレスト山の登頂に成功した投資家は帰路の崖からの転落に注意する必要があります。