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新興国リスク:識者はこうみる

新興国リスク:識者はこうみる
ロイタ-記事

<トウキョウフォレックス上田ハーロー 営業推進室長>
外為市場では、日経平均の2万2000円割れや、南アランドが珍しくアジア時間に急落したことをきっかけに、クロス円主導の円高が進み、ドル/円は1カ月半ぶりの安値圏まで下落した。
朝方の取引では、トルコのアルバイラク財務相が市場の懸念緩和に向けた行動計画を策定したことや、銀行監督当局が国内銀行のスワップ取引を制限すると発表したことで、トルコリラが、過去最安値からいったんは反発したものの、再び売り込まれた。
通貨危機に陥る局面に差し掛かっているリラをはじめ、新興国通貨波乱の根本的な要因は「トランプリスク」であり、現在の混乱が一過性ではすまない可能性があるとみている。
欧州の玄関口でもあるトルコとの政治通商面での対立や、トランプ大統領の就任以来激しさを増す米国とイランとの対立など、トランプ氏は経済面のみならず、政治・安全保障面で不確実性を高めている。
トランプリスクにさらされた金融市場では、全般にリスク回避が広がり、中国の次はトルコ、そして南アフリカと、資本流出や金融収縮が数珠繋ぎで起こりやすい。さらに、こうした動きはAI(人工知能)取引によって誇張され、激しさを伴うものになりやすい。

野村証券 クオンツ・ストラテジスト>
7月下旬から8月にかけてボラティリティーが低下。リスクパリティやCTA(商品投資顧問業者)などが、ファンダメンタルズとは関係なく、ボラの低さに賭ける形で株買いをグローバルに積み上げていた。
足元で、VIX指数などは今年2月に比べて、それほど上昇しているわけではないが、何かのきっかけでポジションが巻き戻されやすい状況にあった。8月にはボラティリティーが上昇すると待ち構えていたヘッジファンドもいたようだ。
今年2月と比べると、ポジションがそれほど膨らんでいるわけではなく、リスクオフは限定的となる可能性が大きい。しかし、警戒しなくてはならないのは第2波だ。足元でブラックスワン指数と呼ばれるスキューが上昇するなど、8月下旬にはショックの第2波が発生しやすい季節性がある。


やはり、野村證券はベア相場予想ですね。(笑)
ただ、野村證券は過去の経験則を踏まえた観方ですから、個人的にも同感です。
上田ハーローの記事にありますが、「AI(人工知能)取引によって激しさを伴う」のが昨今の相場の動きです。
MT4とか為替変動を予測したシステムを駆使し、弱さを見せる通貨に対しては売りを加速、強さを見せる通貨に対しては買いを加速させるような取引が増えているのでしょう。ですから、逆張りで頑張ろうとするトレ-ダ-は、昔よりも困難を伴うのかも知れません。
現時点では底なしでリスク回避を行う局面ではないことから、いったんは治まるものと観ています。
ただ、値を少し戻すようならそこは絶好の売り場として、野村證券も指摘しているように、「8月下旬のショック第2波」に備えようと思います。
トランプによる貿易戦争の仕掛けはまだ終わったわけではありません。新たな施策もあるでしょうし、報復してくる国々には第2、第3の追加制裁もあるでしょう。
そして、新たな仕掛けはまだまだ続きながら、7月以降の最初の仕掛けについてはこれから結果が現れてきます。徐々にその影響は大きくなっていきます。
もし、リスク選好の投資家にとっての誤算があるとすれば、貿易戦争に端を発した負の連鎖でしょう。貿易戦争での関税の掛け合いは大した問題にはならない、そう思うからこそリスク選好でいられる。しかし、リスクは貿易戦争だけではなく、株価もバブル的水準、不動産価格も然り、債務残高も高水準、政治的にも米国と他国はギクシャクした関係が続く。
私fxdondonには、もはや悲観材料の出現待ちとしか思えません。そして、1つの点として存在する現在の個々のリスクが、点と点が線で結ばれる連鎖、つまり負の連鎖につながっても不思議ではないように観えます。
中国、ロシア、トルコ、イラン、これらはすべて反米感情の高い国々です。表面的には友好関係を装いながらも、心底では米国を敵視していますので、いつ本心を行動に移してもおかしくはないと思えます。実は、米国の狙いもそこにありそうだと睨んでいるのですが。