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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

年初に円安予想、円高予想した記事から

年初に円安予想、円高予想した記事を振り返ってみる。

2018/1/6
「円安ドル高」 18年秋には1ドル123円台
ソニーフィナンシャルHDの為替アナリスト 石川氏

カギとなるのは、米国の利上げの動向です。FOMCは2018年に3回の利上げを行うという見通しを出しています。しかし、市場が織り込んでいるのは2回程度。現在のドル円相場が112~114円前後でこう着状態にあるのは、米国の低インフレのせいで市場の利上げの織り込みが進まないためです。2018年に賃金が上昇し始めれば、インフレ率も緩やかに上昇する兆しが見えれば、市場が米国の「3回目の利上げ」を織り込む動きのなかで米長期金利は上昇し、ドル円には上昇圧力となるでしょう。ただし、2015年に125円を超えると、日米両国の金融当局から口先介入が相次いで入ったこともありました。こうした点から、ゆっくりとドル高・円安が進む限り、125円手前では上昇圧力が減速すると見ています。ピークは秋の1ドル123円。その後、日銀のイールドカーブコントロールの水準を引き上げる、円高圧力が重しとなり、年末には120円程度と予測しています。

2018/1/2
「ドル安下での円高に警戒」
みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌氏

日本は、経常黒字が積み上がる一方、機関投資家(生命保険会社や年金基金など)による外国証券への投資は鈍っております。
現状、実需が円買いに傾いているにもかかわらず、為替相場では比較的円安の相場が続いており、「実需」と「実際の為替レート」にねじれが発生している状況です。このような状況は過去にもありましたが、最終的には実際の為替レートが実需に合わせる格好でねじれが解消しています。今回もそうだとすれば、今後は円高が起こりやすい状況になるでしょう。
円安ドル高を予想する人たちは「米国が利上げすれば、日本との金利差が開くので円安ドル高になる」と口を揃えます。要するに長期金利差に付随してドル円相場が上昇するという理屈ですが、こうした前提条件が2018年中にも通用しなくなる可能性が浮上してきているのです。17年の楽観ムードを引きずっている間は114円程度まで上昇する局面があるかもしれませんが、105円から100円程度まで円高が進行する可能性は十分あるでしょう。
振り返ればリーマンショックの直前も、現在と同じように誰にとっても快適な「ゴルディロック相場」と言われていました。こうした状況が続くと警戒感が薄れてしまい、急に大きな変動がやって来たときに対応できない可能性があります。当時も円高を予想する向きは相応に存在したはずですが、耳を貸す向きは多くなかったと記憶します。
17年のドル円相場は変動に乏しい年でしたが、こうした状況が2年続くことは極めて稀です。投資家の皆さんは居心地のよかった17年はいったん忘れた上で、気を引き締めて新しい年の相場に臨むことが必要になると思います。


この年初には、まだトランプ政権による貿易戦争が引き起こされることは予想できませんでした。
ただ、日米金利差拡大を主眼にした円安論者は、そういった何らかのリスクを勘案しない相場予想をする一方で、円高論者は何らかのリスクが事実として現れる時に、日本の経常黒字、対外純資産、インフレ格差、実質実効レ-トが効いてくると考える違いがあるようです。
言い換えれば、高金利はリスクをも寄せ付けないインパクトがあると考える円安論者と、リスクは高金利をも寄せ付けないインパクトがあると考える円高論者の違いとも言えるのでしょうか。