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NZD/USD 米利上げにも負けないNZD

今回は、NZD/USD をとりあげてみます。
ニュ-ジ-ランドと米国。人口、経済規模からみれば、小国と大国と言えるような好対照の国です。しかし、小国が大国を食う、そんな強さをみせるニュ-ジ-ランドドルの一面があります。

まずは、NZD/USDの推移。

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NZD/USDのここ2年間ぐらいのレ-ト推移です。

米国はここ1年あまりで1%の政策金利引き上げを行ってきました。今後も政策金利は上昇します。
一方、ニュ-ジ-ランドは政策金利は据え置いています。当面、政策金利引き上げは見込まれていません。
しかし、ニュ-ジ-ランドドルは米ドルに対して負けてはいません。通常、これだけ米金利が上昇すれば、USD高NZD安になっても不思議ではありません。
米ドルは他国先進国の通貨に対して、高金利であるという優位性がありながら、現物、モノに対して米ドルは減価しているため、米ドル高という増価ができません。

具体的には、現在、原油相場では原油価格が上昇中ですが、これは米ドルが石油に負けているということです。モノの価値に米ドルが負けている証です。
そして、今回お話しするのは、乳製品(特にバタ-)に対して米ドルが負けているので、乳製品大国ニュ-ジ-ランドドルは米ドルに対して価値を維持できているということです。

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ニュ-ジ-ランドは酪農国であり、乳製品大国です。
特にバタ-の価格は、2014年から価格が下落、2016年中頃まで低価格で推移していましたが、それ以降は急上昇しています。バタ-1トンあたり3000米ドルの底値から、一時6000ドル以上の高値と倍以上にまで上昇しました。
投機的な動向として、金利高と物価高を天びんにかけているということになりますかね。
もう少し、わかりやすい例を掲示してみましょう。

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これはバタ-ミルクの価格推移です。

これを、NZD/USDのレート推移に当てはめると下図のようになります。

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米国がタンタンと利上げし、ニュ-ジ-ランドドルに対して優位性を強めて
はいるものの、一方ニュ-ジ-ランドは米ドルより優位性があるバタ-ミルクを作り出しているので、ニュ-ジ-ランドドルは米ドルに負けていないということになります。厳密に言えば、底値は徐々に下がってきてはいるようですが。
この通貨ペアは、商品先物トレ-ダ-が併用することが多いため、商品先
物相場との関連性が非常に高いですね。