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EU離脱協定案“採決認められず”

メイ首相が一段と厳しい立場に追い込まれています。メイ首相がEU離脱延期に向けて議会に求めていた離脱協定案の承認について、議会の議長は採決自体、認められないという見解を示しました。
メイ首相は今月29日に迫るEU離脱の期限をおよそ3か月間、延期するため議会に動議を提出し、動議は可決されました。
そのうえでメイ首相はEUに延期への理解を求めるため、議会で離脱の条件を定めた協定案の承認を得て離脱への道筋を示すことを目指しています。
これについて、議会下院のバーカウ議長は18日、声明を発表し、メイ首相の協定案は議会ですでに2回、否決されているとしたうえで「内容に変更がないかぎり協定案を採決することは認められない」として、採決自体、認められないという見解を示しました。
これに関連して、クワテン離脱担当閣外相は「協定案が議会の承認を得られなければ、EUに長期間の延期を求めざるをえないだろう」と述べ、協定案の承認を得ずにEU側に長期にわたる離脱の延期を求める可能性に言及しました。
延期について、EU側は明確な理由が示される必要があるとしていますが、メイ首相としては、何ら見通しをたてられないまま延期の交渉を強いられる公算が高まったことで一段と厳しい立場に追い込まれています。


メイ英首相は与党保守党の欧州懐疑派が譲歩し、欧州連合(EU)と首相が取り決めた離脱合意案に今週の採決で賛成票を投じると約束しない限り、離脱を早期に実現させる取り組みを断念すると脅しをかけている。
メイ政権の複数の政務担当者によれば、首相は離脱案への支持取り付けに引き続き努力しているが、下院で承認される可能性が高くなければ、予定通り離脱案の3回目の採決を行うことはない見通しだ。
メイ首相はむしろ、離脱プロセスの長期にわたる延期への同意を得るためにEUが21、22日に開く首脳会議に赴き、交渉を「振り出し」に戻すことすらあり得るという。
関係者の1人によると、週末の硬軟織り交ぜた働き掛けに続き、閣外協力でメイ政権を支えてきた北アイルランドプロテスタント強硬派、民主統一党DUP)および保守党内の造反組と首相との間の協議は18日も続けられる見込み。
ハモンド財務相は英BBCに対し、「われわれの同僚とDUPの十分な数がそれを支持し、議会を通す用意があると確信できる場合に限って、離脱案を再び採決に付すことになるだろう。長期の延期を伴うことなく、この案を成立させる最後のチャンスだ」と語った。
メイ首相は17日付の英日曜紙サンデー・テレグラフに寄稿した論説で、「単にテクニカル」ということでない延期の明確な理由をEU首脳らは要求するだろうと指摘。離脱案が振り出しに戻り、新たな合意を取り決める必要がある場合は、より長い延期になることを意味し、5月の欧州議会選挙への参加を英国が求められるのはほぼ確実との認識を示した。
一方、ジョンソン前英外相は英紙テレグラフに寄稿し、離脱案の最大の懸案となっているアイルランド国境へのハードボーダー(物理的壁)設置回避を保証する「バックストップ(安全策)」条項について、「EU首脳会議が今週開催される。バックストップへの実質的修正を勝ち取る機会として、遅過ぎることはない」と主張。譲歩を求めようともせずに離脱案を3回目の採決に付すのは「ばかげている」と訴えた。(ブルームバーグ