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英議会 EU離脱協定案を否決

英議会は、EU離脱の条件について定めた協定案を賛成242、反対391で再び否決。これを受けメイ首相は、何の取り決めもないまま離脱する「合意なき離脱」に踏み切るかどうか、明日13日に議会に諮ることにしています。
アイルランドとの国境管理の問題を解決しないかぎりEUの貿易のルールなどに縛られ続けるという強い反発や懸念から歴史的な大差で否決されたため、メイ首相は、今回、EUから新たな合意を取り付けて採決に臨んでいました。
しかし、議員の懸念は払拭できず、メイ政権に閣外協力する北アイルランド地域政党が協定案に反対したほか、与党・保守党の離脱強硬派や最大野党・労働党が反対し、149票の大差で再び否決されました。
メイ政権は、いよいよ何の取り決めもないまま離脱する「合意なき離脱」に踏み切るかどうか、議会で採決を行います。
「合意なき離脱」を議会が選べば経済や市民生活への混乱は避けられないため、議会は「合意なき離脱」を否決するとみられている。
今後の手続きについて、「合意なき離脱」に踏み切るかどうかで否決された場合には、離脱延期の是非を問う採決を14日に行う方針を確認しました。
メイ首相は、「私自身も離脱を実現しなければならないという思いと、一方で、離脱は混乱なく実現したいと強く願う気持ちがあり難しい選択になる」と述べています。
メイ首相は、「協定案に反対するばかりでは直面している問題は解決しない。延期を要請すれば、EUは、離脱をやめたいのか、それとも、国民投票をもう一度、行いたいのかを問うだろう。どれも難しい選択だが、議会は、この選択に向き合う義務がある」と議員に責任のある対応を呼びかけました。
EUのトゥスク大統領は英国政府が過半数を確保できなかったことに失望しているとする声明を直ちに発表しました。「EUは合意のために可能なことはすべて行ってきた。現在の行き詰まりは英国側でしか解決できない」などと、これ以上の歩み寄りはしない考えを強調しました。そのうえで、「今回の採決によって『合意なき離脱』の可能性がかなり高まった」として備えを進める考えを示しました。
一方、「英国が離脱延期のために理にかなった申し入れをしてくれば、27か国は検討する」として離脱の延期に応じる用意はあると改めて呼びかけました。
しかし、この離脱延期も27か国すべての同意が必要であり、1か国でも反対があれば無効となり、もう時間的にも合意なき離脱が実現します。
EU各国では合意なき離脱に備え準備を進めているが、ドイツ・フランスなど主要国は合意なき離脱を避けたいようだが、東欧ラトビアリトアニアスロベニアのどこかが伏兵となって離脱延期が阻止される可能性もある。雑種のEU、ユ-ロの抱える脆弱性とも言える。