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米国債の需要が赤字膨張に追いつかない可能性

ブル-ムバ-グ
財務省は今年の債券発行を開始したが、トレーダーが留意すべき心配な兆しが1つ表れている。国債入札における需要の急激な落ち込みだ。
ブルームバーグがまとめたデータによると、昨年発行された総額2兆4000億ドル(約260兆円)の中長期債に対する応札倍率は2.6倍にすぎず、2008年以降で最も低かった。米国債の指標利回りは昨年10月に数年ぶりの高水準に達したが、それでも応札倍率は低下した。
これは米政府が必要な資金の調達に問題を抱えるということではない。低調な入札が国債の下落につながることを示すデータもほとんどない。それでも米国債の需要が同国の膨張する赤字に追いついていかない可能性を示す警戒信号になる。トランプ政権の減税を主な理由として、2018年は国債発行が急増した。米政府の財政赤字は近く1兆ドルを超え、今後数年にわたってその水準にとどまると予測されている。
ドイツ銀行のチーフ国際エコノミスト、トルステン・スロック氏は、需要の弱さは「突如として問題視されるまで、問題ではない」と指摘。「応札倍率の低下は脆弱性を高め、投資家が応札倍率の低下を突然重視し始める可能性を増す。換言すれば、すべての財政危機は応札倍率の低下から始まる」と語った。
2019年最初の国債入札も不安を緩和することはほぼなかった。8日実施の3年債入札の規模は同年債としては2010年以降で最大の380億ドル、応札倍率は09年以降で最低だった。


う~ん、この記事を観て、私fxdondonはすぐに頭の中でBridgewater AssociatesのRay Dalio氏が浮かんだ。先日ご紹介したブログ記事がこのブル-ムバ-グ記事の内容とダブる。
ヘッジファンドの帝王ダリオ氏は、「次の景気後退期が1937-40年と似たものになるだろう。前回の景気後退の2008年とはかなり違って、前回のように急激・過激なものになるのではなく、だらだら続くようなものになり、債務危機というよりはドル危機になるだろう」と述べていた。
ダリオ氏がドル危機を予想するのは、今後、米国債の需給が急激に悪化する可能性が高いと観ているからです。
FRBがバランスシート正常化を続けるなら、米国債の最大の買い手であったはずのFRBが最大の売り手に変わる。過度の金利上昇を抑えるには、外国人投資家に米国債を買ってもらうしかないが、ダリオ氏は金利上昇を防ぐほどには外国人投資家はついてこないと予想する。ドル安による為替損のリスクにより、手が出せなくなるだろうと観ている。
最後の最後には、FRBは通貨を増発し、国債を買い入れマネタイゼーションを行うことになり、それがドルの減価を引き起こしうるのだという。その期間では、簡単に30%の減価ぐらい起こりうると予想している。
このような予想が、名を聞いたことのないようなヘッジファンドの観方ならまともに相手にはしないのですが、これまでの累積純利益ランキングでトップを誇るヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」のレイ・ダリオ氏だけに・・・。