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来週の為替相場予想から

フィスコ
来週のドル・円「もみあいか、米中間選挙後も大統領の利上げ批判は継続の可能性」

来週のドル・円はもみあいか。6日投開票の米中間選挙が最大の焦点だが、米中貿易摩擦のすみやかな解消は期待できないこと、トランプ米大統領による利上げ批判は続く可能性が高いことから、米中間選挙共和党が上下両院を支配する結果となっても、リスク選好的なドル買いが急速に拡大する可能性は低いと予想される。
今回の中間選挙は、上院100議席の約3分の1、下院435議席の争いで、直近の選挙情勢調査では下院は民主党がややリードし、共和党が追う構図。両党はともに200議席前後を固めたとみられ、接戦が予想される。上下両院で共和党過半数を占める現状を維持できれば、トランプ大統領の政権基盤の安定化が好感され、株高は継続する見通し。直近の調査のように下院で与野党逆転の場合も政権の存続に変わりはないことから、政策運営の不透明感による株安・ドル安は小幅にとどまろう。
また、トランプ政権は中間選挙後も貿易赤字是正に向け、中国や日本に対し制裁を緩めるとは想定できず、対欧州通貨ではドル買いが優勢となる可能性があるが、ドル・円の取引ではドル買いは拡大しないとの見方が出ている。今月末に開かれる米中首脳会談に思惑が広がるだろう。
一方、7-8日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では政策金利は据え置きの公算。FRBは引き締め継続のスタンスを示すとみられる。ただ、トランプ政権はFRB批判を強めるとみられ、2020年までの利上げ継続シナリオはいずれ修正されるとの思惑が浮上する可能性がある。
【米中間選挙】(11月6日実施)
11月6日投開票の米中間選挙は上院の3分の1、下院435の議席が争われる。さらに州知事選と市長選が加わる。これまでの選挙情勢調査によると、リードする民主党共和党が猛追。下院で与野党逆転となっても、トランプ大統領政権運営への影響は比較的軽微とみられている。

【米連邦公開市場委員会FOMC)会合】(11月7-8日開催予定)
FRBは7-8日に連邦公開市場委員会(FOMC)会合を開催し、現行の政策金利の据え置きを決定する公算。目先の利上げ継続方針に関しては一致しているが、12月利上げには一部から懐疑的な見方も浮上しており、声明の内容が注目される。
米連邦準備制度理事会FRB)は、中立的な金利水準について3%程度と想定しているようだ。労働市場における需給ひっ迫は当面継続すると予想されており、FRBは遅くとも2019年末までに政策金利を3%まで引き上げることを検討しているとみられる。声明で利上げの軌道は変わっていないことを示唆するとみられる。


ロイター
来週の外為市場では、引き続き米国を含む世界の株価動向が円相場に大きな影響を与えそうだ。最大のイベントはもちろん米中間選挙だが、独で行われると報じられているキリスト教民主同盟(CDU)の幹部会合も、年初来安値圏にあるユーロの行方を左右する可能性があるため要注目だ。
中間選挙は上院を共和党が、下院を民主党が制するとの予測が主流で、その場合は織り込み済みとして、為替市場の大きな反応は限られる見通し。議会のねじれを嫌気してやや株が売られるとの予想もあれば、不透明感払拭で株に買い戻しが入るとの声もある。
次に多い予想は、上下両院とも共和党が維持するシナリオ。このケースは財政拡張と景気拡大への期待から株とドルが買われるとの指摘が多いものの、財政懸念や国債増発を警戒した売りが債券市場を襲えば、金利上昇が株価に打撃を与える可能性もあり、そうなれば円が買われやすくなる。
リスクシナリオは民主党が上下両院を握るケース。確率は低いとされるが、議会と大統領の対立が激化して税制改革を含む政策は軒並み停滞、弾劾リスクをはらむ政治の不安定化は株安円高に直結しかねない。
選挙に関心が集中している米国では、過去最大級の国債入札も行われる。今回は5日に3年債370億ドル、6日に10年債270億ドル、7日に30年債190億ドルの計830億ドル。長期金利が再び7年ぶり高水準を上抜けるきっかけとなるかもしれない。
市場では、あらためて1.13ドル割れを試す展開となっているユーロの攻防にも関心が強い。長らく下限となってきた同水準を割り込むと、昨年6月以来の安値をつけることとなり、オプション関連売買が発生して下げ足を早める可能性があるためだ。
ユーロ圏では、最近の景気減速懸念やイタリア財政問題、英国の欧州連合(EU)離脱問題など不透明要因が多数あり、市場心理が悪化しやすい状況。「1.13ドル割れがきっかけとなって、リスクオフが加速しかねない」(邦銀)という。
その独では、キリスト教民主同盟(CDU)が4─5日にベルリンで幹部会合を開催するとの報道が出ている。ポスト・メルケルを争う党首選が行われる12月党大会の行方を占う会合として注目を集めている。
(為替マーケットチーム)