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ドル強気派

ブル-ムバ-グ
運用資産38億ドル(約4250億円)のヘッジファンドディスカバリー・キャピタル・マネジメントを創設したロブ・シトロン氏は13日、欧州で「ひそかに何かがバブルのように発生中」だとCNBCに語り、域内資産(ユ-ロ)の売却を投資家に勧めた。
イタリア売りで今年これまでに利益を挙げた同氏は、同国の債務の持続性とポピュリズムへの懸念を改めて表明。また、トルコ資産売りでも利益を出し、メキシコと南アフリカ共和国に対して弱気スタンスの同氏は新興市場について、インドとアルゼンチンを除き「徹底的に売る」べきだと語った。
インドとアルゼンチンについては「素晴らしい機会に恵まれている」と発言。経済規模で南米2位のアルゼンチンは通貨が今年50%安と「打ちのめされて」いるが、同氏にとって「非常に興味深い」国であることに変わりはないと話した。
シトロン氏は米国の関税にも言及し、長期的に中国市場にとって「大きな問題」だと指摘。一時的安堵感が相場を押し上げる「リリーフラリーが短期的に若干見られると思う」とした上で、「関税発動はいずれやってくる。これは短期的な問題ではない」と語った。
同氏はドルの上昇を予想し、米国資産をロング(買い持ち)にしている。「世界の中でわれわれは相対的に米国を好む。あなたの資本を預けるのに世界で最良の場所だ」と述べた。

資産運用世界2位の米バンガード・グループは、新興経済国では今後さらなる痛みが待ち受けているとみている。もっとも、これを理由に同社が新興国への投資をやめることはなく、ドル建て債への投資意欲がとりわけ強いという。
同社アクティブ債券グループの新興市場ソブリンチームでリードファンドマネジャー兼共同責任者を務めるダニエル・シェイケビッチ氏は、貿易紛争の長期化で中国の成長がリスクにさらされるとの懸念から、次の四半期にボラティリティーが高まる可能性があると予想。一方で新興諸国のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)が引き続き健全であることを踏まえると、相場下落を受けて戦術的な投資機会が数多くもたらされたと指摘した。
ドル高や米金利の上昇、保護貿易主義台頭、トルコの混乱を背景にリスク資産需要が後退する中、新興国市場の外貨建て債券の年間リターンは5年間で初めてマイナスになる見通し。JPモルガン・チェースのEMBIグローバル・ダイバーシファイド・ソブリン指数によると、投資家が新興市場債に求める米国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は今年これまでに0.7%余り拡大し、3.59%となった。過去5年の平均は3.36%。
シェイケビッチ氏は「新興市場の対外債務をめぐる大きな評価見直しが既に起きたので、これが長期投資家をさらなるボラティリティーから守るのに寄与するだろう」との見方を示した。ただ、トルコに関しては慎重なスタンスだとも付け加えた。
ブルームバーグの集計によると、「バンガード新興市場債ファンド」の8月29日まで1年間のリターンはプラス2.4%。ベンチマークをアウトパフォームしているほか、同種のファンドの99%を上回る成績を収めている。