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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

アルゼンチンペソ相場からトルコリラ相場を予想

アルゼンチンの通貨ペソが急落していることは、FXを行っている方なら誰でも知っているでしょう。
まずは、アルゼンチンペソ/円の過去10年からのレ-ト推移。
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直近のレ-ト推移。
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5年前の2013年に、アルゼンチンペソ/円は現在のトルコリラ/円と同じ17~18円をつけていました。
しかし、5年の経過で、現在は2.8円まで下落。驚くことに、政策金利を60%にまで引き上げたにもかかわらず、その甘いエサに群がる投資家は皆無の状況です。

では、トルコリラ/円の為替レートは今後どうなるのでしょうか?何年後にいくらになるという方程式はありませんから、具体的なレ-トは誰にもわかりません。しかし、今後5年、10年においてトルコリラが日本円に対して上昇するのか下落するのかという二者択一の答えでは、間違いなく下落するということになります。
これは、インフレの概念を理解されている方なら誰でもそう答えるはずです。ですから、「トルコリラ/円の底値は?」という問いに対する答えは、「底なし」という以外にありません。今のアルゼンチンペソが現実に「底なし」へ進んでいるのが確認できますが、トルコリラも同様でしょう。
しかし、トルコはアルゼンチンとは違う、なんて都合のいい考えを持つ人もいるでしょうね、きっと。しかし、私fxdondonからすれば、アルゼンチンもトルコも同類としか思えません。
ソブリン格付けでも、
         S&P  Moody's
アルゼンチン  B+    B
トルコ      B+    BB 

と、似たり寄ったりです。A以上の格付けでなければ、まともな資産運用会社はポートフォリオに組み入れられませんので、安定した投機価値は維持できません。不安定な投機的要因でフラフラしながら、対円ではインフレ格差からトルコリラは下落していく。
しかし、幸いというか当たり前ですが、トルコリラ/円のレ-トが下がっていくと騰落率は減少します。
Rates of Return : 20 Years : -96.20%
Rates of Return : 10 Years : -91.77%
Rates of Return :   5 Years : -63.28%
Rates of Return :   3 Years : -53.73%

20年前と現在では96%のレート下落ですが、3年前と現在の比較では53%の下落におさまっています。

過去20年のトルコリラ/円のレ-ト推移
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あくまで、為替レ-トではトルコリラの下落は避けられませんが、為替差損を金利収入で穴埋めどころか儲けようと考えている人が、トルコリラを買い持ちにする理由でしょう。
ただ、申し訳ありませんが、私fxdondonはスワップ金利受け取りで為替差損をカバ-するような取引をやったことがありませんので試算不能です。
●今後のインフレ、政策金利スワップ金利受け取り額の想定をどうするか
●FX業者の提示する売買スプレッドが拡がるか狭まるか
●政治経済財政、その他ファンダメンタルズ予測
その他諸々、長期的視点に立った予測 ・・・。
これらは、トルコリラ/円でリラ買い持ちにしている人のブログ記事等を参考にして下さい。(苦笑)

最後に細かいことですが一言。
貴殿がトルコリラ/円でトルコリラを買い持ちにしたとしましょう。貴殿はそのポジションを保有し、日々スワップ金利を受け取ります。しかし、その時点で貴殿がトルコリラ売り円買いの取引も行っていることに気づかない人がいるようです。
確かに、ポジションを構えたその時点ではトルコリラ買いです。しかし、その後、スワップ金利を円貨で受け取るということは、トルコリラを円に替える取引、つまりトルコリラ売り円買いの取引を行ってスワップ金利分を受け取っていることになります。金額にしたら大したことはありませんが、自分はトルコリラを買っているだけだと勘違いしないでくださいね。当初だけはトルコリラ買いですが、ポジションを持ち続けている間は日々貴殿はトルコリラを売っているという矛盾が生じているのですから。