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「円高の8月」「円高の9月上旬」の例外 スイスフラン

大抵の通貨の動きでは、「円高の8月」「円高の9月上旬」となりますが、その例外もあります。
日本円よりも低金利通貨であるスイスフランです。
米国が金融引き締めをある程度進めると、利上げ観測の頭打ちを織り込む筋が出てきます。キャリ-トレ-ドを選好する筋は金利差が拡大するという局面でスイスフランや円を売って金利収入、為替差益を得ようとしますが、金利差の拡大がこれ以上望めないという局面に差し掛かると、いくら金利差があろうとキャリ-トレ-ドを解消する動きが観られます。
プロ集団は「長居は無用」と判断します。一般の個人投資家などはノホホンと、「これだけ金利差があれば、これから金利収入でシメシメ」とキャリ-トレ-ドを継続します。
しかし、プロ集団をはじめ有識者たちは、金利収入ではインフレによる通貨価値減価を補うことができないという為替変動のカラクリを熟知していますから、キャリ-トレ-ドを長期間にわたって継続することはありません。つまり、金利収入を得られ、なおかつ為替差益が見込まれるからキャリ-トレ-ドを行うのであって、いくら金利収入が見込めても為替差損のリスクが考えられるようになるとサッサと逃げ出します。
で、今現在、キャリ-トレ-ドの解消が進んでいるのがスイスフランです。ですから、スイスフランは「円高の8月」「円高の9月上旬」の例外です。リスク回避の動きは、高リスク資産から順番に下落していく一方、低リスク資産から順番に上昇していきます。言い換えれば、今まで売られていた資産が買い戻され、今まで買われていた資産が売り戻されるという動きですね。
では、スイスフランの次は?いよいよ、日本円の輝きが観られるようになっていきそうです。

CHF/JPY
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