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打ちのめされているトルコの金融市場

[ロンドン 12日 ロイター] - トルコの金融市場が徹底的に打ちのめされている。通貨リラは今年に入って20%以上急落し、過去最安値を更新。株式市場もここ2年余りで最大の下落幅を記録したほか、国債も売られている。
ファゾム・コンサルティング社がまとめたソブリン発行体の財務の脆弱性を示す指数は、トルコを取り巻く状況がいかに悪化しているかを物語っている。この指数はデフォルトリスク、インフレリスク、各国の10年債利回り中央銀行の政策を総合的に加味し、0から10までの段階で表示。政府債務の面で1未満なら基本的に問題がなく、3を超えると不安があることを意味する。
リラ安の主な影響は2つある。まず物価を押し上げるものの、中央銀行が利上げで対処しようにもエルドアン大統領が反対であることを承知しており、問題が生じる。
もう1つは、政府、企業や個人のドル建て債務の返済コストが高くなることだ。国際決済銀行(BIS)によると、トルコのドル建て債務は2000億ドルで、メキシコの2650億ドルに迫る水準だ。
国債売りはすさまじい。中銀がここ数カ月で金利を5%引き上げたものの、トルコの物価上昇率が15%に達している実情を踏まえると、債券の実質利回りは1%を下回り、投資家にとって必ずしも魅力的ではない。
国際金融協会(IIF)のデータでは、トルコの銀行の預貸率は100%超で、資金調達市場で大規模な機能不全が起きれば流動性の面で厄介な事態になりかねない。南アフリカ、チリ、メキシコ、コロンビアも同様のリスクを抱える。
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