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カナダ 7月利上げか

[オタワ 29日 ロイター] - カナダ統計局が29日発表した4月の国内総生産(GDP)は、前月比0.1%増加し、横ばいの予想を上回った。これを受け、カナダドルは上昇、来月の利上げ観測も高まった。
カナダ銀行中央銀行)は昨年7月から利上げを3回実施しているが、市場が織り込む7月会合での利上げ確率は67%から約80%に上昇した。
スコシアバンクのエコノミスト、デレク・ホルト氏は「中銀は7月に対応するだろう」と述べた。
中部や東部で例年より低い気温が続いた影響で、小売が1.3%、建設が0.5%減少。鉱工業生産の伸びや食品・化学製品が寄与し、製造は0.8%増加した。

別なニュース。

[オタワ ロイター] - カナダ銀行中央銀行)のポロズ総裁は、追加利上げを正当化できなければ、金融政策の方針転換によって中銀の信認を損ないかねない事態に直面している。明確な利上げシグナルを発した直後に、カナダが米国との貿易紛争に見舞われ、経済見通しが悪化したためだ。
中銀は政策金利据え置きを決めた5月30日の会合後に公表した声明で、それまで盛り込まれていた慎重な政策決定を約束する文言を削除し、市場では7月11日の次回会合で利上げがあるとの観測が浮上した。
ただそれからすぐ、米政府が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限をカナダに適用し、カナダはその報復措置を7月1日に発動すると表明。こうした紛争は物価を押し上げる半面、雇用や経済成長に打撃を与えると見込まれ、物価を抑えながら成長を後押しするという金融政策の運営が難しくなっている。
フォレックスライブの通貨アナリスト、アダム・バトン氏は「5月の声明の利上げシグナルは、ほぼ発信した瞬間に間違いとなった。ポロズ氏が貿易紛争の到来を予見できなかったと責めることはできないが、先行き何も問題ないと示唆した点は批判されてしかるべきだ」と述べた。
市場では、7月11日に利上げがあるかどうか予想は真っ二つに分かれている。一方は中銀が政策金利を引き上げながら今後慎重な運営をする言い回しを付け加えるという「ハト派的利上げ」、もう一方は政策変更はせずに将来の利上げを約束する「タカ派的な据え置き」という意見だ。
バトン氏は、貿易紛争を巡る不確実性が輸出主導型のカナダ経済に悪影響を及ぼす点を考えれば、ポロズ氏が今週27日の講演と会見で利上げ観測を抑えるべきだと主張する。足元の経済指標が軟調なことも、利上げ見送りの妥当性を高めている。
同氏は「残念ながらポロズ氏は、1つのことを示唆しながら別の何かを実行して市場にダブルパンチを与えるという評価が定着している。今できる最も賢明な行動は、政策金利を動かさずにタカ派姿勢を維持することだ」と訴えた。
ただ中銀が利上げを続け、消費者債務の増大や住宅市況の過熱をもたらした超低金利を修正したがっていると考え、7月に金利を据え置くかどうか確信が持てない市場関係者もいる。
また過去に中銀は市場にサプライズを与えると批判されてきただけに、利上げ方針の転換をためらうかもしれない。
BMOキャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、ダグ・ポーター氏は「極めて難しい仕事だ。中銀が利上げを決断する寸前にあるとすれば7月に実行し、その後は小休止して事態を見守るというハト派的な姿勢を示す方がより戦略として理にかなっている」と指摘した。
いずれにせよ問題は、ポロズ氏が以前に数々のサプライズを巻き起こしてきたことと、5月30日にはっきり利下げを示唆したことに帰結してしまう。
TDセキュリティーズのマクロ・ストラテジスト、ブリタニー・バウマン氏は「ポロズ氏は今後市場の予想をより裏切らない方向をたどり、中銀は透明性向上に意欲を見せると思う」と述べた。