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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

新興国通貨危機、通貨戦争は始まっている


トルコのビナリ・ユルドゥルム首相は4月30日、閣議後の会見で、次回の大統領・議会選挙の投票日を6月24日に控える中、家計債務負担の大幅削減や年金額の引き上げなどを柱とした総額54億-59億ドルの景気刺激策を策定する方針を明らかにした。地元紙ヒュリエトなどが伝えた。
 
財政出動の主な内容は、
(1) 国・地方の行政機関に対する税債務や社会保険料交通違反などの罰金の未払い債務の返済で利払い部分の9割を削減する
(2) 18歳から29歳までの自営業者に対する所得税の3年間免除スキームを1年延長する
(3) 1200万人の定年退職者に対し1000トルコリラの特別支給金を年2回(イード・アル=アドハーとラマダーンの時期)支払う
(4) 65歳以上に給付されている老齢年金(約60万人)の月額支給額を266リラから500リラに約2倍引き上げる
(5) 土地利用に関するゾーン(都市計画区域)規制変更で未登記となっている約1300万件のビルを登録させる
――などとなっている。
 
同首相は財政出動の規模が約60億ドルになるとしているが、最終的には約1300万件のビルの登録料で480億リラ(118億ドル)の歳入増が見込まれるため、歳出増は十分カバーされるとの見通しを示した。
 
トルコは、ほんと愚かですね。
高インフレ下にあって、財政出動。円換算で6000億円以上ですか。
どうせ財政出動するなら、政府主導で何かの工場でも建てればいいのにと思います。製品をトルコ国内で自前生産できるようにすれば、雇用対策にも貢献しますし。
定年退職者とか高齢者にタダでおカネを配るんじゃなくて、そういった高齢者を雇用して、労働の対価としておカネを配るべきだと思いますが。
それより、未登記となっている約1300万件のビルって何?今まで、ビル所有者は固定資産税を納めたりしてないということ?それに、未登記のビルの売買の利益とかの所得税とか税金ってどうなっているの?闇取引で無税?

やっぱり、トルコは「まとも」な国じゃありませんね。
私fxdondonから観ると、トルコのアルゼンチン化が進んでいます。
BRICsに続く有力な新興成長国グループとして、VISTAという括りもあったりします。ベトナム(V)、インドネシア(I)、南アフリカ(S)、トルコ(T)、アルゼンチン(A)の5カ国の頭文字をつなげた造語であるが、トルコとアルゼンチンは政治的にも不安定であり、「有力な新興成長国」なんかではなく「悲惨なインフレ成長国」でしょう。
そのアルゼンチンですが、アルゼンチンは国際通貨基金IMF)と300億ドル(約3兆2800億円)の弾力的信用枠(FCL)設定を交渉しているとのニュ-スが伝わっている。
マクリ大統領は8日、アルゼンチンがIMFとの交渉を開始したと述べたが、交渉中の信用枠の規模は明らかにしていなかった。同国では通貨ペソの急落が債券や株式市場にも波及し、中央銀行金利を40%に引き上げざるを得なくなっていた。マクリ大統領はテレビ演説で、IMFの信用枠確保により「アルゼンチンの経済成長と開発プログラムを強化できる」と説明。「新たな世界のシナリオに対処し、アルゼンチンが以前襲われたような危機を回避することも可能になる」と発言した。

マクリさん、国際通貨基金IMF)に借金するのはいいですが、借金は返済しなくてならないのです。返せますかな?またデフォルトして、国際通貨基金IMF)の借金をチャラにしようとでもお考えですかね?
そして、トルコのエルドアンさん、アルゼンチンは他人事ではありませんよ。
もう、新興国通貨危機、通貨戦争は始まっているのですから。