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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

生保(機関投資家)の米国債離れ

まもなく、企業の2017年会計年度が終了する。
国内の大手生命保険会社の2017年度の運用計画のうち、下期(17年10月~18年3月)について取り上げてみます。

下期運用計画
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生保が見込んだ17年下期の相場見通しですが、米長期金利については、2%割れもありとしている生保が1社で、上限も3%前後との金利上昇は見込んでいませんでした。
ドル円相場については、下限を100円程度としている生保が5社ありますが、年度末は日生を除き115円~120円と、米国の景気回復や緩やかな米利上げを背景に、ドル高・円安を見込んでいた。

ここまでの検証だが、年明け以降、米長期金利が2.8%超へ上昇する一方で、今105円あたりの円高が進んだ「投資家泣かせ」の相場となり、米国債運用の場合、債券価格下落と円高による為替差損が同時に生じた形で、オープン外債(ヘッジなし米国債)はリスクが非常に高い投資となってしまった。
長期金利が高止まりするのは、「ドル安」と「財政赤字拡張」の下にある米国だけで、むしろ米国以外の国々では「通貨高」がインフレを抑え、長期金利の安定を示している。
そのような中、1月の対外証券投資データによれば、本邦投資家の米国債売却とユーロ圏国債大幅買い越しが観測された。つまりリスクの高い米国債ではなく、利回りこそ低いが安定収益を見込めるユーロ圏国債へのシフトが進んでいることが示されている。