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米国経済 GDP伸び率は低下へ

ロイター
6月の米小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想の0.1%増を上回った。個人消費が好調であることを示唆した。軟調な設備投資の経済への影響をいくぶん相殺する可能性がある。
小売売上高の統計は、米連邦準備理事会(FRB)が今月、10年ぶりとなる利下げに踏み切るとの見方を変える材料にはならないとみられる。ただ個人消費が好調でありコア物価が上昇している兆しがあることから、市場が当初予想していた0.5%の利下げにはならない可能性が高い。
アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」によると、第2・四半期の米GDP伸び率見通しは年率1.4%増だ。第1・四半期GDPは3.1%増だった。第2四半期GDPの速報値は26日に発表される。昨年の大規模な減税や財政出動の効果が薄れる中で米経済は減速している。

ブル-ムバ-グ
4-6月(第2四半期)の米国内総生産(GDP)速報値は今月26日に発表される。ブルームバーグ・ニュースが市場関係者を対象に今月実施した調査によれば、第2四半期の経済成長率は1.8%と、第1四半期の3.1%から減速したもよう。ただ、「個人消費」は逆に増加したと予想されている。

この米国の好調な「個人消費」について、私fxdondonが補足説明します。
昨年5月、米最高裁が全米で「スポーツ賭博」の解禁を認めました。
日経新聞参考記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30511080V10C18A5000000/

これが、米国経済にとって、数値上かなりデカいものとなっています。
記事にもありますが、非公式(違法)のスポーツ賭博市場は少なくとも年1500億ドル(約16兆4250億円)規模との推計です。おそらく、現在ではもっと拡大しているものと思われます。
米国の国内総生産(GDP)はざっくり2兆ドルですから、スポーツ賭博市場の年1500億ドルというのは、米国の経済規模の7%にも及ぶ巨額なものです。
昨年6月まで違法だったスポーツ賭博は、非正規経済活動でしたのでGDP算出の対象外でした。あくまで米国の地下経済闇市場)を支えるだけのものでした。
しかし、昨年6月以降、米国でスポーツ賭博が合法化され、正規の経済活動としてGDP算出の対象となりました。それによって、米国のGDPは数値上、高成長を実現しました。今までやってきた事が同じでも、スポーツ賭博行為がGDPを押し上げたのです。
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昨年7-9月期の4.2%増の伸びのおよそ半分はスポーツ賭博の合法化によるもの、そしてマリファナ大麻)の合法化が寄与したと観ています。
かつては違法ドラッグだった大麻マリファナ)も、州によっては合法化されました。
州レベルでは大麻の使用を合法化する動きが進み、2018年11月7日時点で、10州(アラスカ、カリフォルニア、コロラド、メーン、マサチューセッツ、ミシガン、ネバダオレゴン、バーモント、ワシントン)およびコロンビア特別区(ワシントンDC)において、大麻の医療・嗜好(しこう)目的の使用が合法化されている。ニューヨーク州では、医療目的のみで大麻の使用が認められているが、アンドリュー・クオモ州知事は2018年12月17日、同州における嗜好目的での大麻使用の合法化を2019年に推し進めていく意向を発表しています(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版2018年12月17日)。 

我々は「個人消費が好調」だと聞くと、さぞかし買い物が増えたんだろうと発想しがちですが、それは違います。今まで行われてきた違法のギャンブル行為とマリファナ吸引行為が、正規な行為として合法化され、米国の経済活動に大きく反映された結果です。
ただ、このギャンブルやドラッグは個別集計されておらず、たとえば小売業の業者がスポーツ賭博の元締めであれば、小売業の売上に計上されます。スポーツ賭博の掛け金が増えれば、小売売上が伸びるということです。
で、私fxdondonが今年の7-9月期の米GDPがゼロ成長になるという予想の根拠はここにあります。昨年7-9月期から数値上加味された「打ち出の小づち」であるスポーツ賭博も、今年7-9月期にはその効果も消え失せます。