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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

注目される南アフリカの対外債務の動向

南アフリカ・ランドの通貨価値は、投機的なランド買い支えで保たれていると言えます。
南アフリカの対外債務残高推移とランド/円のレ-ト推移は、概ね同じような動きをしています。

南アフリカの対外債務残高
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ZAR/JPY レート推移
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対外債務残高が為替レ-トに大きく影響しているのは、南アフリカが対外純負債国であるからで、日本のような対外純資産国は対外債務の変動を観ても意味がありません。
南アフリカの対外債務、言い換えれば南アフリカが海外からどれだけ「信用」によっておカネを集められたのかということになりますが、その残高増減によってランド相場は動いています。
2014年から2015年初めにかけて南アフリカは対外債務を増やせたため通貨ランドは上昇。2015年初めから2016年始めにかけては「信用」が疑問視され、前年の流入資金が流出超となって対外債務は減少、よってランドは下落。2016年初めから2018年初めまで「信用」を取り戻し、対外債務の増加とともにランドは上昇。そして、2018年初めから現在まで「信用」がやや疑問視されつつある状況にあり、ランドはやや下落、という動きになっています。
対外債務を観ますと、2015年当時よりも2018年当時の方が格段に債務を増やせたのだから、ランド/円相場は2015年のように10円を超えてもいいはずなんて思う方はいないと思いますが、念のため。
2014年から2015年は日銀による異次元金融緩和政策という新ネタ披露で超円安相場となりました。ただ、それが実体経済に大した効果を及ぼさないと見透かされましたが。
そして根本的な要因として、日本と南アフリカのインフレ格差、日本の低インフレと南アフリカの高インフレの格差が続く限り、通貨ランドの実質価値は円に対して減価し続けます。通貨価値=実質価値+投機価値ですから、実質価値が時間の経過とともに減価する分を投機価値でどれだけカバ-できるかで為替レ-トが決まってきます。
対外債務については、南アフリカの経済規模が拡大しているのだから、対外債務が拡大するのは不思議ではないと観ることもできる。しかしながら、対外債務の対GDP比率は上昇しています。つまり、経済規模の拡大以上に対外債務が拡大しており、南アフリカ経済が成長拡大するにはより多くの対外債務を必要としているということになります。

南アフリカの対外債務対GDP比率
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別に、対外債務対GDP比率の46%が悪いとか高いと言っているわけではありません。
南アフリカの経済構造がそう変わってきているということを認識しておけばいいかと。
で、問題なのは、いつ南アフリカが海外から集めたおカネの流出を迎えるのかということ。南アフリカ国債、南ア企業の社債、株式、不動産など、いつ売り逃げることになるのか。
そんなことがわかれば、皆さん大金持ちになれちゃいます(笑)
今のところ、政治不安は沈静しており、暴動やク-デタ-の心配はないようですが、他国と比べれば発生する可能性が高い国であることは疑えません。
南アフリカの経済では、これからマイナス成長、縮小するという予想がもっぱらで、今まで以上に海外からの投機的資金流入は見込めないと思われます。逆に、対外債務の縮小、資金流出超になりそうな気配が漂います。
南アフリカの貿易輸出入で、中国依存が高いというのも不安材料です。
私fxdondonは、南アフリカを含め、新興国と言われる国々は悲観的に観ています。