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米国経済指標の市場予想(事前予想)と結果(実績)のギャップ

経済が減速する過程でよく観られることに、経済指標の市場予想(事前予想)と結果(実績)のギャップがあります。
皆が思っていた以上に経済活動が減速している場合、当然ながら市場予想(事前予想)より結果(実績)が悪くなります。
最近の米国経済指標を眺めていると、まさにそれが当てはまります。

(直近発表の経済指標)
●米製造業購買管理者指数 (5月)
結果 50.5 市場予想 50.6
●ISM製造業購買担当者景気指数 (5月)
結果 52.1 市場予想 53.0
●シカゴ購買部協会景気指数 (5月)
結果 54.2 市場予想 55.1
ミシガン大学消費者信頼感指数 (5月)
結果 100.0 市場予想 102.0
●米企業収益 (前期比) (Q1)
結果 -3.5% 市場予想 2.0%
リッチモンド連銀製造業指数 (5月)
結果 5 市場予想 6
●ダラス連銀製造業活動指数 (5月)
結果 -5.3 市場予想 5.8
S&P/ ケース・シラー住宅価格指数(20都市) (前年比) (3月)
結果 2.7% 市場予想 3.1%
カンザスシティ連銀製造業総合指数 (5月)
結果 4 市場予想 7
●米耐久財受注 (前月比) (4月)
結果 -2.1% 市場予想 -2.0%
●コア耐久財受注 (前月比) (4月)
結果 0.0% 市場予想 0.2%

驚くようなギャップは観られませんが、多くの人が認識している以上に米国経済は減速傾向にあるということになります。
上記の指標のうち、個人的には米企業収益 (前期比) (Q1) がかなり悪化したことに注目しています。
おそらく多くの企業で業績の下方修正が余儀なくされることが予想できます。市場予想では収益が拡大するだろうと思われていたものが、実際はかなり収益が減少しました。
この悪化が一時的、一過性のものであればいいのですが、貿易戦争、関税合戦の事情を考察するとそうとは思えません。
そのような中、今週最も注目される経済指標が米国雇用統計です。
雇用統計で市場予想より実績が悪化すると、今回の場合は利下げ観測に直結することになるので、ドル急落の要因になりそうです。
では、今回の雇用統計の市場予想はと言えば、
●非農業部門雇用者数増減 (5月)
 市場予想 185K 前月4月 263K
となっています。
この予想を観て、増加が前月より鈍化するとの予想に安心する人もいるのでしょうが、実際は前月より鈍化するといった分析を基にはじき出されたものではなくて、当面「170k~185k」あたりを基準としましょうというのが市場予想です。別に根拠らしいものはありませんが、実は市場予想は雇用拡大を期待していることがわかります。
過去の雇用統計を振り返りますと、
●2019年05月03日発表 非農業部門雇用者数増減 (4月)
結果 263K 予想 181K
●2019年04月05日発表 非農業部門雇用者数増減 (3月)
結果 196K 予想 175K

市場関係者、エコノミストらは、4月に175k増を、5月に181k増を、そして今回6月には185k増を期待しています。つまり、まだまだ雇用拡大が望めると期待しているわけです。
果たして、その通りになるのでしょうか?